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花暦句会報:すみだ(平成28年7月27日)

すみだ句会(墨田産業会館)

高点5句
短きは長きに添ひて青芒      工藤 綾子
葛切やねんごろに山暮れてきし   野村えつ子
篁の風がもてなす夏座敷      岡戸 良一
整然と並ぶ中古車大西日      岡崎由美子
燈籠の灯影のとどく桐箪笥     加藤 弥子


入れ換へし葭戸の風の夕餉かな   岡田須賀子
青蔦やがんじ搦めに給水塔     高橋 郁子
放たれて疾走夏の草の原      大野ひろし
通院はいつもこの径露涼し     岡戸 良一
天界の師にまみえしか夏雲雀    野村えつ子
火蛾の夜や天眼鏡に字いきいき   加藤 弥子
晩夏光塔千年を存へて       市原 久義
禅僧の会釈して過ぐ蝉時雨     工藤 綾子
木洩れ日や洞の奥より銀の滝    貝塚 光子
不揃ひの砂場の棚の青葡萄     長澤 充子
山峡の小さき飯場や茂り中     岡崎由美子

                      (清記順)

花暦句会報:東陽(平成28年7月23日)

東陽句会(江東区産業会館)
席題「涼し」「雲の峰」

高点4句
崩れんとして立ち直る雲の峰     野村えつ子
炎塵やゲームのやうに人撃たれ    浅野 照子
涼しかれ月より望む地球こそ     岡戸 良一
一滴に空の崩れて後涼し       新井 洋子

能管の音の澄みまさる夜涼かな    野村えつ子
九十九折来て一条の滝飛沫      岡戸 良一
V字からZとなりし大蚯蚓      浅野 照子
単線の駅に団地や青田原       貝塚 光子
水打つて今日のいらいらしづめけり  安住 正子
湯畑や湯揉み唄聞く夕涼み      長澤 充子
つくも神灼けゐし粗大ゴミ置き場   新井 洋子
幣白き嶺の本宮雲の峰        市原 久義
朝涼や水玉模様のワンピース     堤  靖子

                       (清記順)

花暦句会報:若草(平成28年7月9日)

若草句会(俳句文学館)
兼題「蜥蜴」/席題「縞」

高点5句
縞馬の縞の涼しき園真昼      新井 洋子
この蜥蜴誰の化身か島育ち     岡戸 良一
縞蜥蜴兵営跡の石階段       岡崎由美子
青葉木菟木の間隠れのアンタレス  市原 久義
夏草や児を横抱きの母の腕     加藤 弥子

縞蚊群る谷保天神の梅林      根本 莫生
向日葵の大きな顔に見下ろさる   加藤 弥子
プラットホーム下の暗がり半夏生  岡崎由美子
野良猫の背筋を伸ばし視る蜥蜴   飯田 誠子
縞しまの日本とかげの忍者ぶり   坪井 信子
万緑や諏訪の下社の大太鼓     岡戸 良一
梅雨茸丸太の椅子の鉈の痕     市原 久義
脱力し揺れに任せて昼寝かな    大野ひろし
正座せる狭織の帯の縞涼し     森永 則子
這ひ這ひの子を引き戻す浜日傘   新井 洋子
青葉木菟別れのミサの燭細く    矢野くに子
羅の膝を正せる砂被り       安住 正子
                      (清記順)

花暦句会報:連雀(平成28年7月6日)

連雀句会(三鷹コミュニティセンター)

高点2句
金魚ひらひら病む足腰を励ませば  加藤 弥子
象の死と縁なき猿の昼寝どき    坪井 信子

無意識に手帳見る癖梅雨曇     中島 節子
万緑の要となりて誓子句碑     矢野くに子
町川に瀬音の生れて梅雨深む    田崎 悦子
ひとりにも些事のあれこれ夏つばめ 加藤 弥子
ビー玉のやうに転げて青柚かな   向田 紀子
青芦の抱きしままの朽小舟     飯田 誠子
故里に拠る家もなし桜桃忌     根本 莫生
苔庭の紅きはやかな花石榴     進藤 龍子
漁師等は源氏の裔や茄子の花    松成 英子
甚平の夕餉の酌に海の風      池田まさを
出発の刻に虹たつエアポート    横山 靖子
師を偲ぶ夕べや烏瓜の花      坪井 信子
                      (清記順)
プロフィール

艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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