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花暦句会報:すみだ(平成28年9月28日)

すみだ句会(墨田産業会館)

高点3句
鴨来る夕景の湖騒がせて       高橋 郁子
目立たぬを身上として吾亦紅     野村えつ子
鳥渡る夕日の尾根の電波塔      市原 久義

秋黴雨蓑を着せたき辻地蔵      高橋 郁子
暗闇や瀬音にまさる虫の声      桑原さかえ
繋がつている人は誰秋の空      大野ひろし
津波経し磯の浜菊花明り       貝塚 光子
秋出水寺領の高み頼みとす      工藤 綾子
爽やかなひと日でありし夕べかな   白崎千恵子
子規庵の硝子越しなる鶏頭花     岡田須賀子
ゆるやかに毬藻はぐくむ秋の湖    福岡 弘子
青空を借り切り村の運動会      野村えつ子
夕暮れや影なき空に月の道      山室 民子
十六夜の路上ライブの恋の歌     岡崎由美子
境内の水みな澄めり朱燈籠      長澤 充子
奔放なさかりの萩を括りけり     加藤 弥子
パン生地の発酵進む夜長かな     市原 久義

                       (清記順)

花暦句会報:東陽(平成28年9月17日)

東陽句会 (江東区産業会館)
席題「月」

高点2句
名月や五百羅漢は徳利持ち      貝塚 光子
鯉跳ねて潜きしままに無月なる    安住 正子

菰解かれ菊生き生きと朝の花舗    長澤 充子
青秋刀魚目に寒流の色潜め      市原 久義
龍淵に潜み遠野の空深し       新井 洋子
残照の雲の行方や豊の秋       岡戸 良一
豊饒の海や三陸秋刀魚季       安住 正子
十六夜の用なきメール鳴りにけり   堤  靖子
彼岸花棚田の畔をのぼり行く     斎田 文子
祝はれて根付瓢箪敬老日       飯田 誠子
鰡とんでスカイツリーが見えるかい  貝塚 光子
詩ごころを星に委ねし賢治の忌    浅野 照子

                       (清記順)

花暦句会報:若草(平成28年9月10日)

若草句会(俳句文学館)
兼題「新涼」/席題「霧」「着」

高点2句
髪切れば強くなれさう鵙日和     加藤 弥子
星飛べり原野に獣の動くころ     新井 洋子

潮錆のバス停ポール月見草      岡崎由美子
山稜の岳人一人霧に消ゆ       市原 久義
漂着の如く台風上陸す        岡戸 良一
月島の男踊りに加へらる       根本 莫生
みちのくの匂の残る桃の箱      飯田 誠子
存へて水の地球の露を踏む      坪井 信子
初萩や束ねるほどの髪持たず     加藤 弥子
新涼や左脳にもある詩ごころ     安住 正子
鶏頭の風をこばみて母の忌来     針谷 栄子
砥部焼のランチプレート秋簾     新井 洋子

                       (清記順)

花暦句会報:連雀(平成28年9月7日)

連雀句会(三鷹消費者センター)

高点3句
海暮れて火蛾舞ふ島の能舞台     池田まさを
苦瓜の曲がるにまかせ恙なし     向田 紀子
金魚にもボスの風貌ありにけり    飯田 誠子

蒲の穂や子は釣果なきバケツ提げ   中島 節子
正面に座す首振りの扇風機      根本 莫生
夕花野風と一歩を分け入りぬ     矢野くにこ
爽涼や来し方思ふ誕生日       春川 園子
重陽や還暦の娘の銀の匙       田崎 悦子
師亡きあとの吾の怠慢盆の月     進藤 龍子
飾られて馬の放尿秋まつり      池田まさを
秋暑し遠嶺にどかと雨柱       向田 紀子
底紅や母の遺愛の玉珊瑚       飯田 誠子
戸袋に収まらぬ戸や秋暑し      加藤 弥子
真珠生む紺碧深き秋の海       横山 靖子
ゑのころに風の乱るる古戦場     坪井 信子

                       (清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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