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花暦句会報:すみだ(平成28年10月26日)

すみだ句会(墨田産業会館)

練兵場の跡咲き継ぐや秋桜       岡戸 良一
能面の目の虚ろなる初紅葉       大野ひろし
刃物屋の隅まで刃物うそ寒し      加藤 弥子
来し方の想ひを歌に秋惜しむ      長澤 充子
自転車に犬乗せてゐる秋の朝      白崎千恵子
土器(かはらけ)を投げし谷より秋の声 野村えつ子
無患子の古寺護る老尼僧        桑原さかえ
光堂出でて現世の新松子        工藤 綾子
みちのくの炎となりぬななかまど    貝塚 光子
大仏の背ナの広さやそぞろ寒      岡田須賀子
皺増やし朱を極めたる唐辛子      高橋 郁子
黄落や色斑を選る陶器市        市原 久義
                    (清記順)

花暦句会報:東陽(平成28年10月22日)

東陽句会(江東区産業会館)
席題 「紅葉」「小鳥来る」

高点2句
明日があるたしかさ秋の大落暉    野村えつ子
櫨紅葉激流は岩奪ひ合ふ        野村えつ子


思ひ出は種に弾けて鳳仙花      新井 洋子
紅葉濃く岩場に並ぶ遭難碑      飯田 誠子
赤鳥居入りて浄土へ秋の蝶      斎田 文子
肩寄せて百面相の捨案山子      貝塚 光子
図書館に返却ポスト小鳥来る     野村えつ子
畳屋の台の古きず冬隣        浅野 照子
街角の紅葉且つ散る別れ道      長沢 充子
秋灯や弁慶の笈煤けをり       堤  靖子
桐一葉文字のうすれし顕彰碑     岡戸 良一
                   (清記順)

花暦句会報:若草(平成28年10月8日)

若草句会(俳句文学館)
兼題「柿」/席題「日」

高点4句
柿照るや媼ひとりが守る畑      針谷 栄子
月に暈円周率は忘れけり       坪井 信子
鐘楼に鐘無き寺や柿赤し       加藤 弥子
復刊を望む日々なり草は実に     岡戸 良一

蓮の実の弾けむと日を待ちをりぬ   加藤 弥子
秋霖の日和山より津波跡       安住 正子
十六夜の汐ひたひたと能舞台     岡戸 良一
木の実落つ鶏小屋のトタン屋根    市原 久義
両親を送りし安堵菊膾        針谷 栄子
青空の句点のやうな木守柿      岡崎由美子
灯火親し合点の言葉見出して     森永 則子
月走る礁に高き波頭         新井 洋子
爪を切る音の弾める萩の窓      坪井 信子
蔵ひとつ残りし母屋柿たわむ     矢野くにこ

                       (清記順)

花暦句会報:連雀(平成28年10月5日)

連雀句会(三鷹消費者センター)

高点句
どぶろくの片口重し飛騨格子     松成 英子

師の句碑に能登の秋日の濃かりしや  進藤 龍子
番屋の戸固くしまりて崩れ簗     松成 英子
板戸絵の色の掠れや秋の暮      田村 君枝
庭椅子に午後の日のあり桐一葉    加藤 弥子
文化の日近し読書の進まざる     根本 莫生
秋灯や長き手紙に封をして      春川 園子
乳牛の眠たげに臥し空澄める     向田 紀子
柚餅子食みインプラントの話など   坪井 信子
透明も色の一つや渓の秋       飯田 誠子
ねこじやらしじやらし上手な風のくせ 矢野くにこ
英世像も百葉箱も運動会       池田まさを
急坂に膝を休めてねこじやらし    中島 節子
秘湯の宿庇の草の末枯るる      田崎 悦子

                       (清記順)
プロフィール

艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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