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花暦句会報:東陽(平成29年3月25日)

東陽句会 (江東区産業会館)
席題 「芽柳」「啓蟄」「花一切」

高点3句
紙筒に青春を詰め花の門       市原 久義
法螺貝に湧き立つ雲や木の芽山    飯田 誠子
耕人の愚痴も嘆きも地に鋤ける    新井 洋子

芽柳や銀座並木の日の透ける     長澤 充子
雪柳波立ち零る舟溜り        貝塚 光子
春愁や小鍋で足りる二人の餉     野村えつ子
先導師の美しき声明彼岸寺      堤  靖子
朝の卓ホットケーキと種袋      新井 洋子
池わたる風やはらかに柳の芽     岡戸 良一
啓蟄の朝より晴れて子ら遊ぶ     白崎千恵子
啓蟄や滑り台より見る世界      浅野 照子
溶岩(ラバ)山に萌ゆる力や名草の芽 飯田 誠子
朧夜や次の駅まであるこうか     市原 久義

                       (清記順)

花暦句会報:すみだ(平成29年3月22日)

すみだ句会(すみだ産業会館)

高点3句
分相応に暮らす余生や桜餅    高橋 郁子
そよ風や仔馬まどろむ長睫毛   岡田須賀子
若き血の滾る球場風光る     長澤 充子

つくづくし木魚の音に首傾げ   市原 久義
春深し法鼓高鳴る不動堂     工藤 綾子
貝寄せの風の気ままに光り合ふ  長澤 充子
籔椿落ちし山路の湿りかな    岡崎由美子
山茱萸や御堂古色の深大寺    岡田須賀子
菜の花の幼き記憶かくれんぼ   桑原さかえ
頤に藁の哀れや干鰈       高橋 郁子
声あらば万のうぶごゑ蝌蚪生るる 加藤 弥子
春はあけぼの耳元を猫の声    岡戸 良一
八百体炭鉱王の座敷雛      福岡 弘子
苗木市舗道に黒き土零れ     大野ひろし
スニーカー新たに喜寿や暖かし  貝塚 光子

                     (清記順)

花暦句会報:若草(平成29年3月11日)

若草句会(俳句文学館)
兼題「土筆」 席題「手・掌」

高点4句
春時雨風の硬さをほぐしけり   岡戸 良一
料峭やざぶりざぶりと潮仏    加藤 弥子
引く潮に礁ふくらむ初つばめ   矢野くにこ
ポン菓子の弾け路地裏地虫出づ  坪井 信子

仮の世を仮のすがたに土筆生ふ  坪井 信子
閉校の門に別れの初桜      市原 久義
いま馬柵を跳び上らんと野火の舌 矢野くにこ
三・一一午後の一刻かぎろへる  針谷 栄子
花疲れ外反母趾の靴を脱ぐ    飯田 誠子
殿はいつも同じ子つくしんぼ   岡崎由美子
添削の俳の赤ペン地虫出づ    新井 洋子
土筆摘む一片の詩を探りつつ   岡戸 良一
青き踏む手鏡ほどの幸せに    加藤 弥子
春愁の何処の窓かピアニッシモ  森永 則子

                     (清記順)

花暦句会報:連雀(平成29年3月1日)

連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)

高点3句
杖ついて春一番に立ち向かふ     進藤 龍子
老いしこと老いてゆくこと梅を見て  矢野くにこ
声通る師を忍びをり蜆汁       束田 央枝

奥入瀬の瀨音しづもり草つらら    横山 靖子
昼深し白きうぶ毛の蓬摘む      松成 英子
老いてなほ捨て切れぬ夢春動く    春川 園子
荒東風や呼吸器官の在りどころ    坪井 信子
六年後の春の余震に襟正す      根本 莫生
骨董の店頭けふは雛祭り       加藤 弥子
草萌や筋肉痛のふくら脛       中島 節子
雛飾る昭和のくらし電気釜      飯田 誠子
万屋の薄くらがりに陶の雛      向田 紀子
道路工事の迂回矢印春北風      田村 君枝
春陰の書斎に風の眠りをり      束田 央枝
春光の温もり背にし三千歩      田崎 悦子
薄氷や汀の草を噛みしまま      矢野くにこ
リハビリの一キロ歩き春の風     進藤 龍子

                       (清記順)
プロフィール

艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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