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花暦句会報:すみだ(平成29年6月28日)

すみだ句会(すみだ産業会館)

高点2句
蟇ともに譲らぬへぼ将棋       岡田須賀子
筋書の見えぬ老ひ先著莪の花     岡田須賀子


草茂りつる草絡む売地札       工藤 綾子
梅雨愉し幼の傘に覗き窓       市原 久義
「麦畑」を唄ふぢぢばば梅雨の晴   貝塚 光子
鬼百合の生きぬく色と思ひけり    加藤 弥子
睡蓮の池に空あり羊雲        長澤 充子
独り居の留湯に入りて梅雨の月    桑原さかえ
言ひたきこと腹に納めて髪洗ふ    福岡 弘子
銀蠅の青ぎらつかせ挑み来る     大野ひろし
岩肌の食み跡すける鮎の川      岡戸 良一
                       (清記順)

花暦句会報:東陽(平成29年6月17日)

東陽句会(江東区産業会館)
席題 「涼し」「波」

高点2句
石窟の奥に涼しき菩薩の眼        市原 久義
雨涼し心寂(しづ)かにブラームス    堤  靖子

雷近しにはかに激つ草の波        市原 久義
桜桃(ゆすら)掌に今日の一ト日を肯へり 岡戸 良一
岸壁に杭に波打つ梅雨の川        堤  靖子
夏料理竹の器に竹の箸          飯田 誠子
急降下せしほうたるに君の黙       浅野 照子
ページ繰る少年の目の涼しさよ      廣田 健二
                          (清記順)

花暦句会報:連雀(平成29年6月7日)

連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「青田」

高点1句
奥能登の晴れて白波青田波     坪井 信子

青墨の南無阿弥陀佛梅雨に入る   坪井 信子
さはさはと風の形に青田波     中島 節子
蔓薔薇の傾きぐせの力かな     束田 央枝
里山に白き雲湧き青田風      春川 園子
母も妻もなき母の日の娘の電話   根本 莫生
青田風車窓に入れて上州路     田崎 悦子
来し方も行く方も謎道をしへ    矢野くにこ
名園に一枚残る青田かな      進藤 龍子
眼病むとは思はぬ誤算茄子の花   加藤 弥子
文京区学習田の青田風       飯田 誠子
青田波なほ現役の転轍機      向田 紀子

                      (清記順)

花暦句会報:若草(平成29年6月3日)

若草句会(俳句文学館)
兼題「柚子の花」 席題「配」

高点4句
配膳の足許あやし船料理      岡崎由美子
紫陽花に眩しすぎたる空のあり   加藤 弥子
ひたむきに生きて今日あり柚子の花 廣田 健二
爪立てて朝の気合の髪洗ふ     坪井 信子

噴水や子等は光となり駈くる    岡崎由美子
意地通す利かぬ気の次女柚子の花  森永 則子
明易の新聞配る子のダッシュ    飯田 誠子
スランプや口に弾ける青山椒    針谷 栄子
祝膳の手作り餃子子供の日     石田 政江
柚の花やダルメシアンのモノトーン 坪井 信子
繙けば句集に残る花柚の香     岡戸 良一
読み返す賢治の童話青胡桃     廣田 健二
新茶汲むひと息入れよ我が海馬   新井 洋子
タックルの少年夏の草に伏す    市原 久義
沖晴れて島は花柚の香の小雨    加藤 弥子

                      (清記順)

花暦作家近詠

  遅 桜    相澤 秋生

朱鷺の住む島も潮路も朧なる
飛花落花旅にしあればそぞろ身に
能衣装脱ぎ能役者花片掃く
虎杖のすくつと伸びて雨上る
茅葺きの屋根多き村遅桜

(2017年5月30日投句)
プロフィール

艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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