花暦:舘花集作家往来
一刻の黙 岡戸 良一
春昼の律儀なる音を古時計
茅花流し休耕田の暮れ残る
一刻の黙のありけり河鹿宿
草の穂や円空仏は笑み湛へ
龍勢の白煙高く柿の秋
じやらし上手 矢野くにこ
万緑の要となりし虚子の句碑
雨風に色褪めながら夏桔梗
猫じやらしじやらし上手な風のくせ
かな文字のうす墨にほふ十三夜
曼珠沙華燃やす忍者の屋敷跡
身の丈に 斎田 文子
世に疎くなりし暮しの豆の飯
全身で歩き初むるや風光る
初蝶の黄色い花に紛れゆく
蓮の葉の身の丈に合ふ水の玉
家揺らすビルの解体秋暑し
(「花暦」2016年上期号より)
春昼の律儀なる音を古時計
茅花流し休耕田の暮れ残る
一刻の黙のありけり河鹿宿
草の穂や円空仏は笑み湛へ
龍勢の白煙高く柿の秋
じやらし上手 矢野くにこ
万緑の要となりし虚子の句碑
雨風に色褪めながら夏桔梗
猫じやらしじやらし上手な風のくせ
かな文字のうす墨にほふ十三夜
曼珠沙華燃やす忍者の屋敷跡
身の丈に 斎田 文子
世に疎くなりし暮しの豆の飯
全身で歩き初むるや風光る
初蝶の黄色い花に紛れゆく
蓮の葉の身の丈に合ふ水の玉
家揺らすビルの解体秋暑し
(「花暦」2016年上期号より)
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