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花暦:春夏集作家往来

  少女の息が   市原 久義

溜池の風が押し遣る薄氷
画布絵皿遺るアトリエ冴え返る
しやぼん玉少女の息が空を舞ふ
汽水湖の足裏で漁る浅蜊捕り
緩き弧を描き棚田の植ゑらるる


  フーテンの猫  福岡 弘子

列に並ぼうかやめよか桜餅
爺ちやんが本気で将棋子供の日
日盛や回廊暗き修道院
フーテンの猫も戻りしお盆かな
山寺の色なき風に芭蕉句碑

(「花暦」2016年上期号より)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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