花暦句会報:東陽(平成29年7月22日)
東陽句会(江東区産業会館)
席題「風鈴」「夏草」
高点3句
いつまでも夕日はなさぬ立葵 野村えつ子
暮れてより江戸風鈴の本調子 斎田 文子
氾濫の痕を繕ひ夏の草 市原 久義
風鈴の明珍火箸骨董店 飯田 誠子
革命といふ語の浪漫パリー祭 市原 久義
刈伏せし土手草匂ふ半夏生 斎田 文子
風鈴やとり残されてゐるごとし 堤 靖子
風にのり星となりたる遠花火 浅野 照子
浜茶屋の貝風鈴の鳴り止まず 岡戸 良一
踏ん張りの利かぬ齢や水馬 野村えつ子
糠床へ一本刺して初胡瓜 安住 正子
小さき掌を翳す夕焼竹とんぼ 長澤 充子
網棚の風梨熟睡の一家族 新井 洋子
蛍火や修羅の残り火腹の底 貝塚 光子
(清記順)
一口鑑賞「暮れてより江戸風鈴の本調子」…文子さんの句。「江戸風鈴」が懐かしい。職人が長い竿を均等に回しながら吹き、空中でガラスを膨らませて造られる。いまもその技術は一部で受け継がれている。日中の暑さが収まり、夜風に揺れる江戸風鈴が「本調子」で鳴っているという。下町の風情が思い浮かぶ。さりげない詠みっぷりの中に、一日一日を大切に生きる作者の生活観が表れている。作者自身も元気だからこそ、風鈴は「本調子」なのである。(潔)
席題「風鈴」「夏草」
高点3句
いつまでも夕日はなさぬ立葵 野村えつ子
暮れてより江戸風鈴の本調子 斎田 文子
氾濫の痕を繕ひ夏の草 市原 久義
風鈴の明珍火箸骨董店 飯田 誠子
革命といふ語の浪漫パリー祭 市原 久義
刈伏せし土手草匂ふ半夏生 斎田 文子
風鈴やとり残されてゐるごとし 堤 靖子
風にのり星となりたる遠花火 浅野 照子
浜茶屋の貝風鈴の鳴り止まず 岡戸 良一
踏ん張りの利かぬ齢や水馬 野村えつ子
糠床へ一本刺して初胡瓜 安住 正子
小さき掌を翳す夕焼竹とんぼ 長澤 充子
網棚の風梨熟睡の一家族 新井 洋子
蛍火や修羅の残り火腹の底 貝塚 光子
(清記順)
一口鑑賞「暮れてより江戸風鈴の本調子」…文子さんの句。「江戸風鈴」が懐かしい。職人が長い竿を均等に回しながら吹き、空中でガラスを膨らませて造られる。いまもその技術は一部で受け継がれている。日中の暑さが収まり、夜風に揺れる江戸風鈴が「本調子」で鳴っているという。下町の風情が思い浮かぶ。さりげない詠みっぷりの中に、一日一日を大切に生きる作者の生活観が表れている。作者自身も元気だからこそ、風鈴は「本調子」なのである。(潔)
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