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花暦句会報:すみだ(平成29年11月22日)

すみだ句会(すみだ産業会館)

高点3句
山路より低き軒端の掛大根       岡崎由美子
いとけなき花を抱きて冬の草      市原 久義
赤ペンを稿の栞に一葉忌        岡戸 良一

風よりもかろき瀬音や冬の川      加藤 弥子
初時雨江東運河一の橋         岡戸 良一
庭落葉吹かるるままに吾が人生     桑原さかえ
湯婆(たんぽ)抱く一日の終る安らぎに 岡崎由美子
穏やかな午後の日差や落葉掃く     大野ひろし
日和得て橋の欄干ゆりかもめ      長澤 充子
悴む手沙蚕(ごかい)の口に針を刺す  福岡 弘子
静寂の天地を結ぶ滝氷柱        工藤 綾子
落葉焚髪のおくまで燻されて      市原 久義

                        (清記順)

一口鑑賞赤ペンを稿の栞に一葉忌」〜良一さんの句。書き溜めた原稿を推敲していて、ふと疲れを感じたのだろうか。あるいは、お茶でも飲みたくなっただけかもしれないが、持っていた赤ペンを栞がわりにした動作に、ちょっとした緊急性が感じられる。一葉忌は11月23日。夭折の女流作家への想いもマッチしている。「悴む手沙蚕(ごかい)の口に針を刺す」〜弘子さんの句。寒い日の釣りの一コマ。「沙蚕」と聞いただけでゾクゾクしてしまう人もいるだろう。作者は「沙蚕の口」に針を刺しているのである。平然と?恐る恐る?どっちかな。(潔)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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