花暦句会報:連雀(平成30年1月10日)
連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「松過ぎ」
高点4句
飼鳥の鋭き一声も御慶かな 向田 紀子
平成の想いの深きお正月 進藤 龍子
吾の帰り待つ人のなし冬薔薇 束田 央枝
松過ぎて常にもどりし皿の数 加藤 弥子
松過ぎの日差しに棚のうす埃 中島 節子
竜の玉十七文字転がして 矢野くにこ
HBの鉛筆硬し初句会 根本 莫生
松過ぎの風の素通る裏鳥居 坪井 信子
春着脱ぐ少し寂しき老の胸 田村 君枝
松過ぎて賑はい去りて一人膳 田崎 悦子
松過ぎの塗椀みがく紅絹(もみ)の布 松成 英子
年輪の皺もめでたし初鏡 加藤 弥子
古今集の恋歌一首筆はじめ 春川 園子
杖置いて神の鈴振る初詣 進藤 龍子
幾年や此処武蔵野の初句会 束田 央枝
(清記順)
一口鑑賞「飼鳥の鋭き一声も御慶かな」〜紀子さんの句。「御慶」は新年に述べる祝辞。ふだんから顔を合わせている間柄でも改まってお祝いの言葉を交わすことでめでたさを覚える。作者は、元旦に飼鳥が発した鋭い声も「御慶」と受け止めたのである。インコだろうか、オウムだろうか。めでたい気分になっている人間界の空気を、鳥自身も感じたのかもしれない。「鋭き一声」に荘厳な感じがこもっている。「松過ぎの日差しに棚のうす埃」〜節子さんの句。兼題「松過ぎ」で詠まれた一句。きれいに掃除をして迎えた正月も松の内を過ぎる頃には普通の生活が戻ってくる。作者は棚の埃を目にした瞬間、日常へ戻るのと同時に、そこはかとない寂しを感じたに違いない。(潔)
兼題「松過ぎ」
高点4句
飼鳥の鋭き一声も御慶かな 向田 紀子
平成の想いの深きお正月 進藤 龍子
吾の帰り待つ人のなし冬薔薇 束田 央枝
松過ぎて常にもどりし皿の数 加藤 弥子
松過ぎの日差しに棚のうす埃 中島 節子
竜の玉十七文字転がして 矢野くにこ
HBの鉛筆硬し初句会 根本 莫生
松過ぎの風の素通る裏鳥居 坪井 信子
春着脱ぐ少し寂しき老の胸 田村 君枝
松過ぎて賑はい去りて一人膳 田崎 悦子
松過ぎの塗椀みがく紅絹(もみ)の布 松成 英子
年輪の皺もめでたし初鏡 加藤 弥子
古今集の恋歌一首筆はじめ 春川 園子
杖置いて神の鈴振る初詣 進藤 龍子
幾年や此処武蔵野の初句会 束田 央枝
(清記順)
一口鑑賞「飼鳥の鋭き一声も御慶かな」〜紀子さんの句。「御慶」は新年に述べる祝辞。ふだんから顔を合わせている間柄でも改まってお祝いの言葉を交わすことでめでたさを覚える。作者は、元旦に飼鳥が発した鋭い声も「御慶」と受け止めたのである。インコだろうか、オウムだろうか。めでたい気分になっている人間界の空気を、鳥自身も感じたのかもしれない。「鋭き一声」に荘厳な感じがこもっている。「松過ぎの日差しに棚のうす埃」〜節子さんの句。兼題「松過ぎ」で詠まれた一句。きれいに掃除をして迎えた正月も松の内を過ぎる頃には普通の生活が戻ってくる。作者は棚の埃を目にした瞬間、日常へ戻るのと同時に、そこはかとない寂しを感じたに違いない。(潔)
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