花暦句会報:若草(平成30年2月10日)
若草句会(俳句文学館)
兼題「冴返る」、席題「手・掌」
高点3句
手の甲の血管あらは建国日 坪井 信子
生命線深き掌に置く桜餅 新井 洋子
如月やガラス細工の肌の泡 針谷 栄子
浅春の高血圧といふ魔物 坪井 信子
バレンタイン追憶の日の苦味とも 岡戸 良一
淀みにも渦を巻きゐて水温む 山本 潔
折りあげし手裏剣飛ばし春炬燵 森永 則子
風船の二つ双子の乳母車 新井 洋子
無人スタンドに計る手秤寒卵 飯田 誠子
太陽を手でおさへ冬晴れの朝 石田 政江
印結ぶ指冴返る菩薩像 廣田 健二
黒服に払ふ猫の毛冴返る 針谷 栄子
福豆を捕らむと伸ぶる衆生の手 市原 久義
赤き袱紗の手捌きしかと梅真白 加藤 弥子
(清記順)
一口鑑賞「手の甲の血管あらは建国日」〜信子さんの句。席題「手・掌」で詠まれ、互選で圧倒的な指示を受けた。手の甲にくっきりと浮き出た血管と「建国記念の日」が持つ歴史的な重みとの取り合わせの妙というべきか。また、2月11日頃の寒さを思うと、血圧の高い人などは健康面でも不安を覚える時期。血管を見つめる作者の健康への思いがにじみ出ているのではないか。「太陽を手でおさへ冬晴れの朝」〜政江さんの句。よく晴れた冬の朝は、大気が乾いて冴えわたり、お日様が眩しい。作者は思わず手で日差しを遮ったのだが、太陽を「押さえた」と感じたのである。日常の何気ない動作も詩になるのが俳句。手の平には太陽の熱が伝わってきたはずだ。(潔)
兼題「冴返る」、席題「手・掌」
高点3句
手の甲の血管あらは建国日 坪井 信子
生命線深き掌に置く桜餅 新井 洋子
如月やガラス細工の肌の泡 針谷 栄子
浅春の高血圧といふ魔物 坪井 信子
バレンタイン追憶の日の苦味とも 岡戸 良一
淀みにも渦を巻きゐて水温む 山本 潔
折りあげし手裏剣飛ばし春炬燵 森永 則子
風船の二つ双子の乳母車 新井 洋子
無人スタンドに計る手秤寒卵 飯田 誠子
太陽を手でおさへ冬晴れの朝 石田 政江
印結ぶ指冴返る菩薩像 廣田 健二
黒服に払ふ猫の毛冴返る 針谷 栄子
福豆を捕らむと伸ぶる衆生の手 市原 久義
赤き袱紗の手捌きしかと梅真白 加藤 弥子
(清記順)
一口鑑賞「手の甲の血管あらは建国日」〜信子さんの句。席題「手・掌」で詠まれ、互選で圧倒的な指示を受けた。手の甲にくっきりと浮き出た血管と「建国記念の日」が持つ歴史的な重みとの取り合わせの妙というべきか。また、2月11日頃の寒さを思うと、血圧の高い人などは健康面でも不安を覚える時期。血管を見つめる作者の健康への思いがにじみ出ているのではないか。「太陽を手でおさへ冬晴れの朝」〜政江さんの句。よく晴れた冬の朝は、大気が乾いて冴えわたり、お日様が眩しい。作者は思わず手で日差しを遮ったのだが、太陽を「押さえた」と感じたのである。日常の何気ない動作も詩になるのが俳句。手の平には太陽の熱が伝わってきたはずだ。(潔)
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