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花暦句会報:若草(平成30年3月10日)

吟行:杉並区荻窪の太田黒公園・角川庭園
句会:杉並詩歌館

席題 「三月十日」「啓蟄」「水草生ふ」「歩」「縞」

高点2句
三月十日の句座江東の師を偲ぶ   岡戸 良一
啓蟄や園に石橋石畳        新井 洋子

田一枚なめるがごとく芹摘みぬ   石田 政江
三月十日水琴窟の水の声      針谷 栄子
啓蟄や館に響くピアノ音      森永 則子
春の池波紋の縞を畳みけり     新井 洋子
ゆく水のおのづと光り水草生ふ   加藤 弥子
水草生ふはや色を見せ鯉の稚魚   市原 久義
葉脈の数を数へて桜餅       廣田 健二
鷹鳩と化し俳三昧の歩を進む    岡戸 良一
三月十日竹林の狂ほしき揺れ    坪井 信子

(清記順)

一口鑑賞三月十日の句座江東の師を偲ぶ」〜良一さんの句。今や3月といえば、東日本大震災・原発事故の「3・11」が鎮魂の日だが、昭和20年3月10日に東京の下町はB29を主力とする米空軍による大空襲を受けた。死者10万人とも言われる悲劇の日は「三月十日」という季語になった。故舘岡沙緻師は、戦災から復興した下町の暮らしをこよなく愛した。「水草生ふはや色を見せ鯉の稚魚」〜久義さんの句。水温むころの池には、さまざまな水生植物が生えてくる。水中を覗いていると、鯉の稚魚も現れた。よく見れば、稚魚も色付いている。見たものを感じたままに詠んだ。俳句は観察から入り、描写によって一句を成す。(潔)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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