花暦句会報:連雀(平成30年6月6日)
連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「梅雨」
高点5句
いつよりか婚期自由に花南瓜 中島 節子
梅雨茸やグリム童話の小人たち 加藤 弥子
ポスターの青き地球やトマト園 根本 莫生
青梅雨や自問自答の独り言 束田 央枝
万緑や生成り木綿のバッグ背に 向田 紀子
雷鳴に途切れし話戻しけり 中島 節子
覚えある声の主や夏帽子 向田 紀子
遠慮なく生ゆ十薬の住み心地 束田 央枝
町騒を子守唄とし星涼し 飯田 誠子
梅雨晴間地蔵の背の半乾き 田崎 悦子
山の堂に火災報知器五月闇 田村 君枝
太宰忌や割りし卵に血の走り 加藤 弥子
老いては子に従うべきか茄子の花 進藤 龍子
上水の緑いや濃き桜桃忌 根本 莫生
誘蛾灯青し一人の夜行バス 松成 英子
パラボラに鳩の集まる電波の日 坪井 信子
(清記順)
一口鑑賞「ポスターの青き地球やトマト園」〜莫生さんの句。トマト園に貼られたポスター。環境緑化か、自然農法推進などの広告だろうか。青く、水々しい地球の写真が大きくプリントされている図柄が目に浮かぶ。作者は改めて地球の美しさに感動すると同時に、この星の未来に思いをはせている。真っ赤に熟れたトマトに囲まれて詠んだ一句。「老いては子に従うべきか茄子の花」〜龍子さんの句。老いても子には迷惑をかけずに暮らしたい、と誰しも思うことだろう。しかし病気になったり、一人暮らしで心細くなったりすれば、なかなかそうは言ってもいられない。薄紫色で何とも味わい深い「茄子の花」。この季語が効いている。作者は人生を振り返りながら自問自答している。(潔)
兼題「梅雨」
高点5句
いつよりか婚期自由に花南瓜 中島 節子
梅雨茸やグリム童話の小人たち 加藤 弥子
ポスターの青き地球やトマト園 根本 莫生
青梅雨や自問自答の独り言 束田 央枝
万緑や生成り木綿のバッグ背に 向田 紀子
雷鳴に途切れし話戻しけり 中島 節子
覚えある声の主や夏帽子 向田 紀子
遠慮なく生ゆ十薬の住み心地 束田 央枝
町騒を子守唄とし星涼し 飯田 誠子
梅雨晴間地蔵の背の半乾き 田崎 悦子
山の堂に火災報知器五月闇 田村 君枝
太宰忌や割りし卵に血の走り 加藤 弥子
老いては子に従うべきか茄子の花 進藤 龍子
上水の緑いや濃き桜桃忌 根本 莫生
誘蛾灯青し一人の夜行バス 松成 英子
パラボラに鳩の集まる電波の日 坪井 信子
(清記順)
一口鑑賞「ポスターの青き地球やトマト園」〜莫生さんの句。トマト園に貼られたポスター。環境緑化か、自然農法推進などの広告だろうか。青く、水々しい地球の写真が大きくプリントされている図柄が目に浮かぶ。作者は改めて地球の美しさに感動すると同時に、この星の未来に思いをはせている。真っ赤に熟れたトマトに囲まれて詠んだ一句。「老いては子に従うべきか茄子の花」〜龍子さんの句。老いても子には迷惑をかけずに暮らしたい、と誰しも思うことだろう。しかし病気になったり、一人暮らしで心細くなったりすれば、なかなかそうは言ってもいられない。薄紫色で何とも味わい深い「茄子の花」。この季語が効いている。作者は人生を振り返りながら自問自答している。(潔)
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