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花暦句会報:すみだ(平成30年6月27日)

すみだ句会(すみだ産業会館)

高点2句
くさぐさのいのちのなかの初蛍    加藤 弥子
羽抜鶏己の影を啄めり        加藤 弥子

夕さりの隠沼群るる蚊食鳥      高橋 郁子
大道芸投銭光る夏の雲        工藤 綾子
朝涼や船荷のとどく湖の宿      貝塚 光子
物置の隅にグローブ父の日来     岡崎由美子
礼文島に信号一つ敦盛草       桑原さかえ
峡深く早瀬に和して夕河鹿      長澤 充子
俎の傷まで乾く梅雨晴間       加藤 弥子
篁を風のさわがす旱梅雨       岡戸 良一

(清記順)

一口鑑賞物置の隅にグローブ父の日来」〜由美子さんの句。使い古したまま表面も硬くガサガサになったグローブ。もう使われることはないが、父親とのキャッチボールの思い出が詰まっているのだろう。決して捨てることのできないものとして、グローブは物置の隅に存在しているのである。思い出の中の父親に感謝して詠んだ「父の日」の一句。「峡深く早瀬に和して夕河鹿」〜充子さんの句。河鹿は山地の渓流や森などに生息している蛙。美しい鳴声が牡鹿に似ていることから、その名が付いたという。この句は旅吟だろうか。流れの速い浅瀬と河鹿の声を一緒に聴きながら、心休まるひとときを過ごしたに違いない。(潔)
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Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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