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艸句会報:連雀(令和元年7月3日)

連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「足、脚」

高点2句
カフェラテの泡ふはふはとパリー祭  岡崎由美子
くちなはを見し昂りの口すすぐ    加藤 弥子

バルコンに男と女凌霄花       飯田 誠子
キッチンに立つ足裏より梅雨の冷   春川 園子
青芝や「あんよは上手」手を打ちて  中島 節子
賽したる仏足石に蟻の列       加藤 弥子
さくさくのカレーコロッケ半夏生   坪井 信子
生来の大根足よ浜日傘        岡崎由美子
母よりの有松しぼり夕涼し      横山 靖子
ドリブルの脚の確かさゴール朱夏   束田 央枝
転ぶなよと言はれ続けてところてん  進藤 龍子
ぎしぎしや妣のノートに我が名あり  松本ゆうき
散り継げる栗の花紐空暗し      松成 英子
柚の花や張りある句評耳底に     矢野くにこ
脚立より葉付の枇杷を頂きぬ     田﨑 悦子
携帯の充電完了蚊遣の香       向田 紀子

(清記順)

一口鑑賞くちなはを見し昂りの口すすぐ」〜弥子さんの句。不意に蛇と遭遇し、立ちすくんだのだ。自宅の庭だろうか。興奮したまま屋内に逃げ込み、気持ちを落ち着かせようと、口をすすいだのである。蛇は音もなく去っていったのだが、その姿は脳裡から離れない。「口すすぐ」という措辞にリアリティーがあり、ゾクッとした感じをうまくとどめている。「さくさくのカレーコロッケ半夏生」〜信子さんの句。一読していい匂いが漂ってくるようだ。コロッケは揚げ立てで、熱々である。これを「半夏生」の日に食べたのである。夏至から11日目。この日は空から毒が降ると言われ、農家の人は野菜を食べず、農作業も休むという。のんびりしながら頬張るカレーコロッケは午後3時のおやつがいい。何とも美味しそう!(潔)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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