艸句会報:連雀(令和元年11月6日)
連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「もつ煮」
高点3句
五十年添ひて夜寒のもつ煮込み 松成 英子
鐘一つ撞きて鎮まる伊予の秋 松本ゆうき
遊べとや墓石に飴と木の実独楽 岡崎由美子
山茶花よ母の守りし庭に咲け 松本ゆうき
白き花ばかり集めて秋の庭 横山 靖子
冬隣る七味きかせてもつ煮かな 中島 節子
凩の浅草六区もつ煮込み 岡崎由美子
茶の花や列の乱れぬ修行僧 春川 園子
夫を呼ぶ吾が声ときに鵙に似て 坪井 信子
ワイン抜く音の弾けて室の花 向田 紀子
カーブスへ老いてますます日短し 束田 央枝
色かえぬ松に日の差す即位礼 松成 英子
青あをと生ふ冬草の力欲し 進藤 龍子
花蓼やテラスに暇な椅子ひとつ 加藤 弥子
どの松も菰巻をして眠さうな 山本 潔
(清記順)
一口鑑賞「鐘一つ撞きて鎮まる伊予の秋」〜ゆうきさんの句。伊予は今の愛媛県。作者の故郷は宇和島。この句はお母様の一周忌で里帰りをした際に詠まれた。自分で撞いた鐘の音をじっと聴きながら、深まりゆく秋を感じているのである。旅吟としての味わいもあるが、それ以上に「鎮まる」という措辞に作者の心境が投影されているのではないか。母親との死別から1年。少しずつ冷静に受け入れられるようになった心持を感じさせる一句。「花蓼やテラスに暇な椅子ひとつ」〜弥子さんの句。テラスにぽつんと置かれた椅子が一脚。それを「暇な椅子」と擬人化したところに俳味がある。この句も自分自身を投影している。庭に咲いている蓼はタデ科の一年草。秋に咲くのは犬蓼(赤のまま)、花蓼、桜蓼など。穂いっぱいに淡紅や濃紅紫の粒のような花をつける。(潔)
兼題「もつ煮」
高点3句
五十年添ひて夜寒のもつ煮込み 松成 英子
鐘一つ撞きて鎮まる伊予の秋 松本ゆうき
遊べとや墓石に飴と木の実独楽 岡崎由美子
山茶花よ母の守りし庭に咲け 松本ゆうき
白き花ばかり集めて秋の庭 横山 靖子
冬隣る七味きかせてもつ煮かな 中島 節子
凩の浅草六区もつ煮込み 岡崎由美子
茶の花や列の乱れぬ修行僧 春川 園子
夫を呼ぶ吾が声ときに鵙に似て 坪井 信子
ワイン抜く音の弾けて室の花 向田 紀子
カーブスへ老いてますます日短し 束田 央枝
色かえぬ松に日の差す即位礼 松成 英子
青あをと生ふ冬草の力欲し 進藤 龍子
花蓼やテラスに暇な椅子ひとつ 加藤 弥子
どの松も菰巻をして眠さうな 山本 潔
(清記順)
一口鑑賞「鐘一つ撞きて鎮まる伊予の秋」〜ゆうきさんの句。伊予は今の愛媛県。作者の故郷は宇和島。この句はお母様の一周忌で里帰りをした際に詠まれた。自分で撞いた鐘の音をじっと聴きながら、深まりゆく秋を感じているのである。旅吟としての味わいもあるが、それ以上に「鎮まる」という措辞に作者の心境が投影されているのではないか。母親との死別から1年。少しずつ冷静に受け入れられるようになった心持を感じさせる一句。「花蓼やテラスに暇な椅子ひとつ」〜弥子さんの句。テラスにぽつんと置かれた椅子が一脚。それを「暇な椅子」と擬人化したところに俳味がある。この句も自分自身を投影している。庭に咲いている蓼はタデ科の一年草。秋に咲くのは犬蓼(赤のまま)、花蓼、桜蓼など。穂いっぱいに淡紅や濃紅紫の粒のような花をつける。(潔)
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