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艸句会報:連雀(令和2年1月8日)

連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「酒」

高点2句
子年なり知つてゐるかい嫁が君     松成 英子
雷神像の逆立つ髪や寒旱        進藤 龍子

この齢重ね来て謝す去年今年      横山 靖子
一病はあれど息災七日粥        進藤 龍子
読初は母の謡の和綴じ本        飯田 誠子
酒酔ひの本音大声春隣         束田 央枝
「山本」てふ年酒の味よ「艸」船出   石田 政江
元朝や下戸と言へども二・三献     中島 節子
厄年を無縁と生きて初詣        向田 紀子
ゆつくりと野良猫のゆく雪催      松成 英子
紅型は沖縄の華はつ暦         松本ゆうき
医通ひの朝の裏道実千両        坪井 信子
初旅の車窓きらめきカップ酒      岡崎由美子

(清記順)

一口鑑賞子年なり知つてゐるかい嫁が君」英子さんの句。今年は子年。十二支の最初で、新しいサイクルの始まりである。「鼠算」の連想から子孫繁栄の象徴だ。当のネズミはそんなことを知る由もないが、作者は「知つてゐるかい」と優しく呼びかけている。普段は厄介者のネズミも正月三が日は「嫁が君」と呼ばれ、大切に扱われる。それを踏まえた何とも微笑ましい一句。「医通ひの朝の裏道実千両」信子さんの句。定期的に通う病院へのルートはいつも裏道なのだろう。なぜなら、そこには季節ごとに楽しめる句材がいろいろあるからだ。今は、濃い緑の葉の上に千両の紅い実がたくさん付いている。日常の中の季語を大切にしている作者ならではの一句。(潔)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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