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艸句会報:船橋(令和2年1月29日)

船橋句会(船橋市勤労市民センター)

高点2句
蜜を吸ふ鳥の重さの四温かな      針谷 栄子
橋桁に稚貝鎧へる春隣         岡戸 林風

長寿橋渡る確かな恵方道        岡戸 林風
春立つや産休の娘の二重あご      川原 美春
悴みてこんがらがるや刺繍糸      並木 幸子
荒庭に水仙鉢を置いてみる       飯塚 とよ
蕎麦掻や本音洩らさぬ夫であり     岡崎由美子
煮魚のはら子の白さ雪催        針谷 栄子
外来の貝の話をして睦月        山本  潔

(清記順)

【一口鑑賞】荒庭に水仙鉢を置いてみる」とよさんの句。手入れをしないまま荒れてしまった庭。そこに水仙鉢を置いたら、どうなったのだろう?思いの外、洒落れた景になったのかもしれない。香り高く、みずみずしい水仙の存在感はなかなかのものだ。この句は「荒庭」と「水仙鉢」が響き合って読み手を想像の世界に引き込む。「悴みてこんがらがるや刺繍糸」幸子さんの句。寒い日に刺繍をしているうちに、糸がもつれて絡まりあってしまったのだ。ほぐそうにも手が悴んでうまくいかない。日常のささいな出来事も俳句になる。「春立つや産休の娘の二重あご」美春さんの句。「俳句は日記」と言われる。この句は、出産を控えた娘さんのことを書きとめた。「二重あご」に焦点を当てて何とも健康的だ。栄養をつけて元気な赤ちゃんを産んでほしいという願いが込められているのだろう。立春の喜びもほのぼのと伝わってくる。(潔)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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