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艸句会報:すみだ(令和3年2月)

すみだ通信句会
兼題「春」

高点1句
料峭や手すり恃みの男坂       岡戸 林風

よべの雨春泥重き土手の径      髙橋 郁子
こつこつと老夫の歩行器長閑なり   貝塚 充子
春めくや命目覚めよ雑木山      工藤 綾子
春めくや子らは遊具にまつしぐら   桑原さかえ
銭洗ふ手元に春の光かな       福岡 弘子
素描めく影を散らして細魚らは    岡戸 林風
老梅の力みなぎる幹の瘤       内藤和香子
沈むかとおもへば浮いていかのぼり  山本  潔
春光を総身に浴びて下校の児     長澤 充子
雪解けて心の闇も薄れけり      大浦 弘子
抱かるる子の手が追ふやしやぼん玉  岡崎由美子
二ン月や擤むやうにささと過ぐ    松本ゆうき

(清記順)

 【一口鑑賞】料峭や手すり恃みの男坂」林風さんの句。風がまだ肌に冷たく感じられるものの季節は春。湯島天神あたりに梅見に出かけたのだろうか。気合は十分だったが、コロナ禍で運動不足になっていることもあり、急な男坂は思いのほかきつい。「手すり恃み」との措辞に気持ちが素直に表れている。「銭洗ふ手元に春の光かな」福岡弘子さんの句。鎌倉の宇賀福神社をはじめ、銭洗弁天のある寺社は全国に散らばっている。金運アップは誰しも願うこと。この句はどこかの弁財天での作。お金を笊に入れて洗う手元の光に焦点を当てたところが良かった。未来への希望を明るく感じさせてくれる。(潔)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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