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艸句会報:船橋(令和3年5月29日)

船橋句会(船橋市勤労市民センター)
兼題「茉莉花、ジャスミン」

高点2句
昼顔の「ゴミすてるな」に巻きつきぬ  矢島 捷幸
茉莉花や白磁の茶器に紅のあと     山本 吉徳

窓のなき市場食堂穴子めし       岡崎由美子
路地裏のダンス教室花石榴       沢渡  梢
暴れたる鯰さばきの出刃研ぎぬ     小杉 邦男
けふ今を息して生きて樟若葉      山本 吉徳
緑廊の風をゆたかに茉莉花は      岡戸 林風
万緑へ足す猫の目のひすゐ色      針谷 栄子
古着とて捨てがたきもの更衣      飯塚 とよ
釣人に語りかけたる牛蛙        並木 幸子
テラス席にジャスミンティーを小指立て 三宅のり子
渋滞や茅花流しの分離帯        市原 久義
むらさきの小雨にけぶる花あやめ    矢島 捷幸
文の友逝きてポストに青葉雨      川原 美春
石垣に「菅公」の詩や夏蛙       中川 照子
駄菓子にて語る人生多佳子の忌     山本  潔

(清記順)

【一口鑑賞】昼顔の『ゴミすてるな』に巻きつきぬ」捷幸(かつゆき)さんの句。この日、ゲスト参加の作者。句歴2年余りと言いながらも、いきなり高点句に輝いた。朝顔や夕顔に比べると、どこか存在感の薄い昼顔だが、ガードレールや金網などに絡みついて薄いピンクや白の可憐な花を咲かせている。この句は、看板にしっかり巻きついているところを見逃さなかった。何でも詠んでやろう!という気持ちが表れている一句。「窓のなき市場食堂穴子めし」由美子さんの句。時間のある人は午前中にJ R船橋駅から徒歩約15分の船橋市地方卸売市場までの吟行を楽しんだ。市場に何軒かある食堂に分かれて昼食にしたが、そこでもすかさず詠むのが吟行の楽しいところ。「窓のなき」という軽い発見に、「穴子めし」を合わせて俳味のある句に仕上がった。(潔)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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