艸句会報:かつしか(令和3年7月25日)
かつしか句会(亀有地区センター)
兼題「酸、酢」
高点1句
肘枕がくんと崩る三尺寝 片岡このみ
明け方に雨上がりけり蓮の花 伊藤 けい
ふるさとの酢橘を搾る麦焼酎 近藤 文子
角打ちの昼酒首の汗拭い 新井 洋子
はびこりて邪険にしたき酢漿の花 五十嵐愛子
酢こんぶとするめのつまみ遠花火 平川 武子
海の色めきてゆかしき能登上布 佐治 彰子
閉め忘る冷蔵庫から電子音 千葉 静江
約束のできない日々や草を引く 小野寺 翠
一膳に酢の物添へて夏蕨 高橋美智子
後先になりて子の振る捕虫網 笛木千恵子
風鈴や眠れぬ夜の友となり 西川 芳子
ご近所の音聞こえ来る胡瓜揉み 西村 文華
ひばの香の酸ケ湯にしみる日焼かな 霜田美智子
裏木戸の人来る気配夏休み 三尾 宣子
みちのくの酸味ほどよき心太 山本 潔
新婚さんらしき二人や青簾 片岡このみ
酸性の俺が好きよと藪蚊めが 新井 紀夫
身の酸化防ぐマリネや梅雨明ける 中山 光代
彩雲を夢に見た夢金魚玉 山田 有子
(清記順)
【一口鑑賞】「肘枕がくんと崩る三尺寝」このみさんの句。「三尺寝」は昼寝の副季語。職人さんが三尺ほどの狭い空間で仮眠するからという説と、太陽の影が三尺動くだけの短い間の昼寝という説があるらしい。いずれにしても仕事の合間の至福の時だろう。枕を使う余裕はなく、肘枕で眠るしかない。そんな職人さんが「がくん」と崩れる瞬間を活写した。「一膳に酢の物添へて夏蕨」高橋美智子さんの句。兼題からの発想で「酸っぱさ」を詠んだ句はいろいろあったが、掲句はさりげない詠みぶりながら、「夏蕨」が浮き立つ。夏に高原などで採れる山菜は趣が深く、ありがたみも増す。(潔)
兼題「酸、酢」
高点1句
肘枕がくんと崩る三尺寝 片岡このみ
明け方に雨上がりけり蓮の花 伊藤 けい
ふるさとの酢橘を搾る麦焼酎 近藤 文子
角打ちの昼酒首の汗拭い 新井 洋子
はびこりて邪険にしたき酢漿の花 五十嵐愛子
酢こんぶとするめのつまみ遠花火 平川 武子
海の色めきてゆかしき能登上布 佐治 彰子
閉め忘る冷蔵庫から電子音 千葉 静江
約束のできない日々や草を引く 小野寺 翠
一膳に酢の物添へて夏蕨 高橋美智子
後先になりて子の振る捕虫網 笛木千恵子
風鈴や眠れぬ夜の友となり 西川 芳子
ご近所の音聞こえ来る胡瓜揉み 西村 文華
ひばの香の酸ケ湯にしみる日焼かな 霜田美智子
裏木戸の人来る気配夏休み 三尾 宣子
みちのくの酸味ほどよき心太 山本 潔
新婚さんらしき二人や青簾 片岡このみ
酸性の俺が好きよと藪蚊めが 新井 紀夫
身の酸化防ぐマリネや梅雨明ける 中山 光代
彩雲を夢に見た夢金魚玉 山田 有子
(清記順)
【一口鑑賞】「肘枕がくんと崩る三尺寝」このみさんの句。「三尺寝」は昼寝の副季語。職人さんが三尺ほどの狭い空間で仮眠するからという説と、太陽の影が三尺動くだけの短い間の昼寝という説があるらしい。いずれにしても仕事の合間の至福の時だろう。枕を使う余裕はなく、肘枕で眠るしかない。そんな職人さんが「がくん」と崩れる瞬間を活写した。「一膳に酢の物添へて夏蕨」高橋美智子さんの句。兼題からの発想で「酸っぱさ」を詠んだ句はいろいろあったが、掲句はさりげない詠みぶりながら、「夏蕨」が浮き立つ。夏に高原などで採れる山菜は趣が深く、ありがたみも増す。(潔)
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