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艸句会報:かつしか(令和3年8月22日)

かつしか句会(亀有地区センター)
兼題「鳳仙花」

高点2句
菩提寺の雨のにほひや著莪の花    中山 光代
地に脚の一つとどかず茄子の馬    山本  潔

銀漢や川面を青き高炉の灯      霜田美智子
天の川テトラポットに白い波     平川 武子
スカートの裾ひるがへし白雨かな   西川 芳子
子ら辻に明かりともして地蔵盆    佐治 彰子
秘めごとの種が弾けて鳳仙花     三尾 宣子
花柄の爪を真つ赤に鳳仙花      新井 紀夫
手の中に爆ぜゐて楽し鳳仙花     山田 有子
吾は母に姉は父似よ鳳仙花      伊藤 けい
マージャンの疲れリセット秋の風   西村 文華
馬上の子背筋をぴんと秋の空     片岡このみ
年甲斐もなく弾けたし鳳仙花     五十嵐愛子
盆の月姉さん被りの母夢に      中山 光代
風吹けば一茶の一句艸の市      山本  潔
はじけたき青春はどこ子らの夏    小野寺 翠
借家に爪紅と三年かな        高橋美智子
かそけしや高架下なる夕化粧     笛木千恵子
鳳仙花想ひ出つなぐ同窓会      千葉 静江
むかご採る山の静けさ引き寄せて   新井 洋子
ひぐらしや三歩先行く夫の背な    近藤 文子

(清記順)

【一口鑑賞】花柄の爪を真つ赤に鳳仙花」紀夫さんの句。「花柄の爪」というからには、白っぽいマニキュアに“花柄”を施したおしゃれな爪が思い浮かぶ。その爪が鳳仙花の汁で真っ赤に染まったのだろうと想像したが、作者は「“花殻”を摘んだ爪が赤く染まったことを詠んだだけ」という。「殻」と「柄」の違いが思わぬ解釈を生んだ一句。「年甲斐もなく弾けたし鳳仙花」愛子さんの句。鳳仙花は、実が熟すと弾けて種を飛ばす。作者も子どものころに実を指で挟んで種が弾けるのを楽しんだ思い出があるのだろう。この句は「年甲斐もなく」に作者の気持ちが素直に表れている。コロナ禍で溜まる鬱憤をぜひ晴らしてほしい。(潔)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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