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艸句会報:連雀(令和3年10月6日)

連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「健」

高点2句
赤とんぼ風のりかへて戻りけり    安住 正子
村医者のブルージーンズ小鳥来る   山本  潔

健やかに生きて米寿の菊膾      坪井 信子
健脚でありしはむかし葛の花     安住 正子
わが晩年穏やかにあり秋彼岸     春川 園子
無患子や健やかなれと祈る嫁     松成 英子
窓あけて一人満月見て眠る      横山 靖子
函館の街の灯りを夜長とす      飯田 誠子
健さんの映画ロケ地や秋没日     山本  潔
老犬の健気な歩み草の花       向田 紀子
秋うらら「艸」の表紙の赤とんぼ   中島 節子
数珠玉や父とつくりし首飾り     渕野 宏子
ゆく風を追ひかける風大花野     矢野くにこ
遮るものなく名月は其処に在す    束田 央枝
取りあへずラジオ体操秋日和     松本ゆうき
(清記順)

【一口鑑賞】赤とんぼ風のりかへて戻りけり」正子さんの句。原っぱに群れて飛ぶ「赤とんぼ」。そのうちの一匹をじっと観察している作者。宙に静止したかと思うと、不意に遠ざかり、また戻ってくる。そんな一瞬を「風のりかへて」と言い止めた。戻ってきた一匹に愛着を感じたのかもしれない。「数珠玉や父とつくりし首飾り」宏子さんの一句。「数珠玉」はイネ科の多年草で湿地に生える。秋に結んだ実が、緑から黒や灰色へ変化して硬くなる。この実を採って子どもが遊んだことから、この名がある。作者も幼い頃に父親と一緒に首飾りを作ったという。「数珠玉」を見るたびに蘇る大切な思い出を一句にした。(潔)

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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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