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艸句会報:船橋(令和3年10月30日)

船橋句会(船橋市勤労市民センター)

高点2句
長き夜や「赤毛のアン」の書に遊ぶ  針谷 栄子
秋高し園児の列の伸びちぢみ     山本 吉徳

病む人を思ふ人ゐて白秋忌      山本  潔
蟠り解けず引きずる夜寒かな     矢島 捷幸
出来たてのおにぎり十月桜かな    沢渡  梢
冷まじや朝な夕なの飲み薬      市原 久義
リハビリのモンローウオーク鰯雲   川原 美春
本当の事は言はずに濁り酒      山本 吉徳
茶葉踊るアールグレイや小鳥来る   針谷 栄子
美味さうに描けし柿よ実も旨し    三宅のり子
鉄塔に風の哭き声神の留守      並木 幸子
秋晴や古きベンチの木の匂ひ     岡崎由美子

(清記順)

【一口鑑賞】長き夜や『赤毛のアン』の書に遊ぶ」栄子さんの句。秋の夜長は読書にはもってこいだ。子どもの頃からモンゴメリの名作「赤毛のアン」のファンなのだろう。全10巻セットはいつも手の届くところにある。「書に遊ぶ」というくらいだから、好きな場面を何度も読み返したり、絵を眺めたり、ノートに書き写したりしているのかもしれない。「長き夜」をアンとともに楽しんでいる作者の姿が浮かんでくる。「リハビリのモンローウオーク鰯雲」美春さんの句。不自由な脚のリハビリが欠かせない作者。俳句にも常に前向きに取り組んでいる。マリリン・モンローの動きを思わせる運動をしながら、ふと窓の外を見ると、いかにも秋らしい「鰯雲」が広がっていたのだろう。空を眺めながら来し方を思う気持ちを季語に託している。(潔)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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