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艸句会報:東陽(令和4年2月)

東陽通信句会

印象句
鉛筆でぐいぐい描く臥竜梅      飯田 誠子
【一口鑑賞】「臥竜」は空に昇らず寝ている竜。「まだ志をのばす機会を得ないで、民間にひそみ隠れている英雄」にたとえた中国の故事による。そんな竜の姿を思わせる「臥竜梅」をスケッチする人を間近でじっと観察した作者。掲句は上五〜中七の「鉛筆でぐいぐい描く」という措辞が端的で力強い。読者の目にも幹の形や枝振りが見えてくるようだ。寝ている竜が起きて天に昇るかもしれない。(潔)

ユトリロの町かと思ふ春の雪     向田 紀子
淡雪にうるむやビルの灯の柱     中島 節子
初午や白狐の面の肩車        中川 照子
うなじ過ぐ風の尖りや春寒し     安住 正子
ぶかぶかの地蔵の帽子春立てり    岡崎由美子
生かされて生きるかがやき梅真白   堤 やすこ
里山のひかり集めて芹の水      岡戸 林風
三寒や身近に迫るオミクロン     貝塚 光子
もこもこの熊と眠る子霜降る夜    新井 洋子
手に触るる佃小橋の柳の芽      斎田 文子
ポジティブに歩く目のさき猫柳    山本  潔
はだれ雪ひとり住まひの灯をともす  長澤 充子
また一軒閉づる書店や春寒し     松本ゆうき

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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