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艸句会報:若草(令和4年3月12日)

若草句会(亀有 ギャラリー・バルコ)
兼題「放」

印象句
  浪江町
街音は立ち直る音木々芽吹く     安住 正子
【一口鑑賞】この3月で東日本大震災から11年。前書の「浪江町」は地震や津波に加え、福島第1原発事故による甚大な被害を受けた自治体の一つ。今、この町に帰ってきた人は震災当時の人口(2万1500人)の10分の1にも満たないが、復興は徐々に進められている。それが「街音」であり、そこに暮らす人々の表情が見えてくるようだ。「木々芽吹く」には、被災地の再生を応援する作者の気持ちが込められている。(潔)

刀身のひかり一閃細魚散る      岡戸 林風
沙緻忌のこと考へをれば暮の春    石田 政江
哀しきは放浪の民なごり雪      松本ゆうき
フェイクニュース放つ現世や亀鳴けり 針谷 栄子
春風や乗り放題の一日券       新井 紀夫
落椿水辺に紅を正しけり       坪井 信子
啓蟄や一歩一会の地蔵尊       吉﨑 陽子
開け放つ窓いつぱいの花ミモザ    新井 洋子
下校告ぐ校内放送鳥曇        沢渡  梢
テーラーの黒き電話や里燕      山本  潔
手遊に放つビー玉春の色       飯田 誠子
青と黄の蝶銃口に怯まざる      市原 久義

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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