艸句会報:すみだ(令和4年3月23日)
すみだ句会(すみだ産業会館)
兼題「光」
印象句
光陰を支柱にゆだね老桜 岡戸 林風
【一口鑑賞】富安風生が<まさをなる空よりしだれざくらかな>と詠んだ真間山弘法寺(千葉県市川市)の伏姫桜は樹齢400年。何本もの支柱にのしかかるようにして立っている。風生を敬愛する作者のことだから、この桜を念頭に置いての一句だろう。兼題「光」を詠み込むと同時に、対象となる伏姫桜を擬人化した点が技巧的だ。何度も見て目に焼き付いている「老桜」。写生の目とはこういうものかと思わせてくれる。(潔)
蒼天や残雪光る白川郷 大浦 弘子
水温む舌出す貝の気の弛み 内藤和香子
目借時使ひ古しの蛍光ペン 山本 潔
細やかに主役光らす霞草 山本 吉徳
花待たず召されし君よとこしへに 矢島 捷幸
ふくよかな母の面影春の月 福岡 弘子
濠の波光りひかりて花筏 髙橋 郁子
春光の透ける川底魚の影 貝塚 光子
舗装路の継ぎ目に菫ふるへをり 工藤 綾子
せせらぎの堰のしぶきやつくづくし 長澤 充子
(清記順)
兼題「光」
印象句
光陰を支柱にゆだね老桜 岡戸 林風
【一口鑑賞】富安風生が<まさをなる空よりしだれざくらかな>と詠んだ真間山弘法寺(千葉県市川市)の伏姫桜は樹齢400年。何本もの支柱にのしかかるようにして立っている。風生を敬愛する作者のことだから、この桜を念頭に置いての一句だろう。兼題「光」を詠み込むと同時に、対象となる伏姫桜を擬人化した点が技巧的だ。何度も見て目に焼き付いている「老桜」。写生の目とはこういうものかと思わせてくれる。(潔)
蒼天や残雪光る白川郷 大浦 弘子
水温む舌出す貝の気の弛み 内藤和香子
目借時使ひ古しの蛍光ペン 山本 潔
細やかに主役光らす霞草 山本 吉徳
花待たず召されし君よとこしへに 矢島 捷幸
ふくよかな母の面影春の月 福岡 弘子
濠の波光りひかりて花筏 髙橋 郁子
春光の透ける川底魚の影 貝塚 光子
舗装路の継ぎ目に菫ふるへをり 工藤 綾子
せせらぎの堰のしぶきやつくづくし 長澤 充子
(清記順)
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