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艸句会報:連雀(令和4年5月11日)

連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「薫、香」

印象句
横町にカラメル香る立夏かな     渕野 宏子
【一口鑑賞】「立夏」は二十四節気の7番目。今年は5月5〜20日の間。この頃は、新緑の木々が眩しく、気温が上昇しても湿度が低いので過ごしやすい。掲句は、そんな心地良い日の散歩だろうか。あるいはゴールデンウィーク中に訪れたどこかの街での一場面かもしれない。横町に入ると、どこからともなくカラメルの匂いがしてきたのだ。それだけのことなのだが、独特の甘い焦げた香りが郷愁を誘う。下五の「立夏かな」が利いているからだろう。(潔)

短冊の沙緻師の筆や風かをる     束田 央枝
少子化の新聞記事や粽解く      中島 節子
山男往生のごと大昼寝        松本ゆうき
鳥翔ちしあたり地獄の釜の蓋     山本  潔
雨催ひ低くすばやく夏燕       松成 英子
葉桜や校門に入る給食車       向田 紀子
発想を盗む五月の夜の辞書      矢野くにこ
葉桜のベンチに遊ぶ日のひかり    横山 靖子
実桜やわが身のための運動を     春川 園子
師よ聴いてゐますか花のひらく音   坪井 信子
行く春やいつかは捨つる物ばかり   飯田 誠子

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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