艸句会報:若草(令和4年5月14日)
若草句会(俳句文学館)
兼題「政」
印象句
古団扇この政党も今は消え 市原 久義
【一口鑑賞】兼題「政」に苦しむ人が多かったが、作者は「古団扇」との取り合わせでユーモラスな一句に仕立てた。夏の季語「団扇」の傍題で、前の年に使われたものを指す。この句の場合はもっと古いものかもしれない。どこかで手にした団扇にもはや解散した政党名が入っていたのだ。いかにもありそうで軽い諷刺にもなっている。そう言えば、個人名や政策を印刷した団扇を有権者に配り、辞職した法務大臣もいた。そんなことまで思い出す。(潔)
師の句碑に能登新緑の惜しみなく 安住 正子
若葉風鍵盤奔るカンパネラ 石田 政江
風入れやわが青春に卒論に 新井 紀夫
五月雨百人町へ「艸」帰る 松本ゆうき
大欠伸して全身に薫風を 坪井 信子
晴々と石田政江の夏羽織 山本 潔
筍飯炊くと一行記しをく 飯田 誠子
江戸前の煮切りの艶も立夏かな 針谷 栄子
日が風が潮騒が好き罌粟坊主 新井 洋子
市政バス運行開始五月晴 吉﨑 陽子
猫の眼の一つは翠五月闇 岡戸 林風
夢見るも生くるも一人桐の花 沢渡 梢
臣虚子は政にも通じ五月闇 隣 安
(清記順)
兼題「政」
印象句
古団扇この政党も今は消え 市原 久義
【一口鑑賞】兼題「政」に苦しむ人が多かったが、作者は「古団扇」との取り合わせでユーモラスな一句に仕立てた。夏の季語「団扇」の傍題で、前の年に使われたものを指す。この句の場合はもっと古いものかもしれない。どこかで手にした団扇にもはや解散した政党名が入っていたのだ。いかにもありそうで軽い諷刺にもなっている。そう言えば、個人名や政策を印刷した団扇を有権者に配り、辞職した法務大臣もいた。そんなことまで思い出す。(潔)
師の句碑に能登新緑の惜しみなく 安住 正子
若葉風鍵盤奔るカンパネラ 石田 政江
風入れやわが青春に卒論に 新井 紀夫
五月雨百人町へ「艸」帰る 松本ゆうき
大欠伸して全身に薫風を 坪井 信子
晴々と石田政江の夏羽織 山本 潔
筍飯炊くと一行記しをく 飯田 誠子
江戸前の煮切りの艶も立夏かな 針谷 栄子
日が風が潮騒が好き罌粟坊主 新井 洋子
市政バス運行開始五月晴 吉﨑 陽子
猫の眼の一つは翠五月闇 岡戸 林風
夢見るも生くるも一人桐の花 沢渡 梢
臣虚子は政にも通じ五月闇 隣 安
(清記順)
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