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艸句会報:かつしか(令和4年5月22日)

かつしか句会(亀有地区センター)
兼題「夏の月」

印象句
版画にてもてなす寺や月涼し     笛木千恵子
【一口鑑賞】「版画にてもてなす」とはどういうことだろう。そう思いながらも、寺の上に夏の月が出ている景を思い浮かべると、何だか旅心が誘われる。作者によれば、ここは岡山県真庭市の毎来寺(まいらいじ)。かつて廃寺同然だったこの寺に入った現住職が趣味の版画を襖に貼ったところ評判となり、今では天井絵や掛軸など300点以上が展示されているという。実際にここを訪れた作者。版画に癒された気持ちが「月涼し」に素直に表れている。(潔)

ジャズバンド震はす窓に夏の月    霜田美智子
隠れ家のやうな茶房や夏の月     千葉 静江
サリー纏ひたたずむ人や藤の下    五十嵐愛子
里若葉参道脇の六地蔵        佐治 彰子
小刻みに揺れて蕗の葉日をこぼす   片岡このみ
外来種固有種混り草茂る       小野寺 翠
手づくりのフレアスカート若葉風   西川 芳子
うすものの噺家余技の「奴さん」   新井 紀夫
曇天の降りみ降らずみ五月憂し    伊藤 けい
囀の響く中庭シーツ干す       高橋美智子
白シャツや背中に透ける湿布かな   山本  潔
夏の月玄関灯の塵払ふ        近藤 文子
冷麦や色付き麺を奪ひ合ひ      西村 文華
銀ブラや連れ帰りたき夏の月     新井 洋子

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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