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艸句会報:若草(令和4年6月11日)

若草句会(俳句文学館)
兼題「再」

印象句
諍ひの果てぬ地球を雹が撃つ     市原 久義
【一口鑑賞】前の週に首都圏では大きな雹が降った。この句は、凄まじい降り方を目の当たりにしたか、あるいはニュースで見たかはともかくとして、そこからロシアのウクライナ侵攻など国際情勢に思いをめぐらせているのである。人類の歴史をたどればまさに「諍いの果てぬ地球」であって、下五の「雹が撃つ」という措辞から作者の憂いが伝わってくる。「雹」が夏の季語としてしっかり働いており、いわゆるテレビ俳句とは一線を画している。(潔)

再軍備すすむ国なり金魚玉      松本ゆうき
濡れたくて雨に出てゆく桜桃忌    山本  潔
柚の花や再び句碑にまみえたる    安住 正子
日を弾き風に弾かれ糸とんぼ     飯田 誠子
蚯蚓這ふ西新宿の再開発       沢渡  梢
転舵せしヨットに傾ぐ空と海     新井 洋子
紫陽花やガラスの皿のワンディッシュ 針谷 栄子
夏帽は老いの愛嬌ど忘れも      吉﨑 陽子
鰻割く面魂や三代目         新井 紀夫
羅をゆるやかに着ていざ句座へ    石田 政江
再起せる友の便りや青葉木菟     岡戸 林風

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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