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艸句会報:すみだ(令和4年6月22日)

すみだ句会(すみだ産業会館)
兼題「見」

印象句
常連の一人が見えず夏暖簾      岡戸 林風
【一口鑑賞】夏になると、飲食店などでは麻や木綿の涼しげな暖簾を用いるところが多い。「夏暖簾」は日本の暑い夏に涼しさを呼ぶための風物詩と言っていい。もちろん「暖簾」だけでは季語にならない。掲句は、行きつけの小料理屋だろうか。暖簾をくぐった瞬間、いつもいる人の姿が見えないことに違和感を覚えたのだ。「常連の一人」とは「身近にいるべき人」と考えてもいい。その人がいないことへの寂しさを感じている作者。兼題「見」から発想して自分自身の気持ちを詠んだ一句。(潔)

野良猫の棲みつく飯場梅雨曇     岡崎由美子
武蔵野の森のきざはし緑の夜     松本ゆうき
虫干や秘蔵の里見八犬伝       山本  潔
黒南風や沖見て鷺は動かざる     山本 吉徳
一陣の風に騒めく竹落葉       長澤 充子
演習の着弾地点月見草        工藤 綾子
もてあます母の形見の梅酒壺     大浦 弘子
石走る竜頭の滝や岩魚影       矢島 捷幸
新しきシャッター開くる夏至の朝   貝塚 光子

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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