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艸句会報:東陽(令和4年6月25日)

東陽句会(江東区産業会館)
兼題 折句/く・あ・す 例句/靴脱いで蹠さびしき涼み舟 舘岡沙緻

印象句
空襲の悪夢をよぎりスコール来    中川 照子
【一口鑑賞】今月も東陽句会は折句に挑戦!上五の頭が「く」、中七の頭が「あ」、下五の頭が「す」の音になるように詠んだ句が全体の半分以上を占めた。この句もそのなかの一つ。作者は、幼い頃の空襲体験を今でも夢に見るという。空襲のシーンに現実の激しいスコールのような夕立の音が重なってきて目覚めたのだ。折句とは気づかないような一句。こうした夢を見るのは、ウクライナの映像がテレビで頻繁に流れることも影響しているのだろう。(潔)

暮れなづむ青山墓地の忍冬      山本  潔
竹藪に呑まるゝ廃家半夏生      岡崎由美子
走り梅雨紙縒のゆるむ朱印帳     飯田 誠子
水に浮く水馬に吾を重ねけり     松本ゆうき
栗の花甘い和菓子の好きな人     斎田 文子
緑蔭やサンドイッチと「グリとグラ」 新井 洋子
潮入の逆巻く池や額の花       中島 節子
苦行などあかんべいです水中花    堤 やすこ
黒南風や安房の小島の水神社     岡戸 林風
足音にさとき船虫魚網干す      向田 紀子
口笛のあとを目で追ふ砂日傘     中川 照子
食ひ盛り頭並べて西瓜食ぶ      安住 正子

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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