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艸句会報:かつしか(令和4年6月26日)

かつしか句会(亀有地区センター)
兼題「黴」

印象句
黴の倉記憶違ひのパスワード     霜田美智子
【一口鑑賞】「黴」は梅雨の頃に発生しやすく、いつの間にか広がっている。麹黴や青黴など人間に役立つものもあるが、食物や衣服など身の回りに生える黴は鬱陶しいものの象徴と言っていい。また、「黴が生える」と言えば物事が古臭くなることを意味する。この句は「黴の倉」に自らの記憶力の衰えを重ね合わせている。パスワードを間違えたり、忘れたりするのはよくあること。それはまるでインターネット社会にはびこる黴のようなものかもしれない。ユーモラスな一句。(潔)

深山の松蟬の声揃ひたる       小野寺 翠
新樹蔭学生服の金ボタン       高橋美智子
七変化卒の誕辰迎へけり       伊藤 けい
酒蔵に夜のささめごと麹黴      新井 洋子
黴の香や仕舞ひ忘れし夫の靴     西川 芳子
連弾の軽き響きや梅雨明くる     近藤 文子
黴の香にくるまり眠る山の宿     片岡このみ
明日からの旅の荷の上夏帽子     千葉 静江
黴にほふ納戸や母の桐箪笥      新井 紀夫
大雪渓小さき窪みに供花の赤     霜田美智子
雨音をかきまぜながらアイスティー  山本  潔
蓋を開け黴と遭遇蓋閉める      西村 文華
鼻ほじる羅漢も在す梅雨晴間     笛木千恵子
風穴にねむるワインや黴の花     五十嵐愛子
滴りや名もなき山の獣道       佐治 彰子

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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