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艸句会報:かつしか(令和4年7月24日)

かつしか句会(亀有地区センター)
兼題「移」

印象句
立葵今朝は定時のタウンバス     新井 紀夫
【一口鑑賞】「立葵」は西アジア、東欧の原産。日本には室町時代に渡来したとされる。真っ直ぐに伸びた太い茎は2㍍を超え、下から上に順々に花をつけていく。赤やピンク、白、紫など花色は豊富でいかにも夏の花らしい。そんな立葵を眺めていた作者。いつもは遅れがちなタウンバスが時間どおりにやってきたのだ。「今朝は」と強調したところに作者の驚きが伝わってくる。日常のなかのさりげない感動を書きとめた一句。(潔)

ちんぐるま八幡平の風に舞ふ     佐治 彰子
若大将混じる江ノ電夏の潮      近藤 文子
恋螢落ち一天の闇増やす       新井 洋子
七夕のぷつと笑へる願ひ事      小野寺 翠
釣忍横目にすする二八そば      片岡このみ
貧乏を知るや知らずや我鬼忌かな   松本ゆうき
幼稚園バス母を見送る夏の蝶     高橋美智子
通院の道は紅白さるすべり      笛木千恵子
梅雨明けや何かお稽古始めましょ   西村 文華
古民家の移築再生柿若葉       山本  潔
向日葵の迷路を声の走りけり     霜田美智子
揚羽蝶ゆるりと羽を閉じにけり    伊藤 けい
日盛や遺跡に光る移植鏝       五十嵐愛子
夜濯の手もて叩きぬ稽古足袋     千葉 静江
明易しベッドの上でストレッチ    西川 芳子
キャンプの灯消して闇夜の音を聴く  三尾 宣子

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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