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艸句会報:すみだ(令和4年7月27日)

すみだ句会(すみだ産業会館)
兼題「聞・聴」

印象句
甚平が作務衣ひつぱり碁会所へ    矢島 捷幸
【一口鑑賞】夏の夜には甚平を着て一杯!という人も少なくないだろう。麻や木綿で作られ、単衣で素肌に着る心地良さは捨てがたい。ユニクロや無印良品などでは夏のホームウエアとして人気があるようだ。この句は、甚平姿の人が作務衣を着た人を連れて碁会所へ行くところ。囲碁好きの親方のキャラクターや、しぶりながらついていく職人の姿が想像されて何だか楽しい。俳句は短いが、一場面を切り取ることでときには人間のドラマが見えてくる。(潔)

夏の蝶舞へば耳立て聴導犬      山本  潔
降りさうで降らぬ武蔵野朝曇     松本ゆうき
汀打つ波のかたちに夜光虫      岡戸 林風
手花火の松葉あかあか子らを染む   矢島 捷幸
寄席涼し咄聞かうか眠らうか     貝塚 光子
昼寝覚五体遠くにありにけり     山本 吉徳
朝まだき守宮顔だす植木鉢      工藤 綾子
片蔭に寄り添ふ刻は短くて      大浦 弘子
老鶯の長啼く山路遠ざかる      長澤 充子
青年の佇む花舗やパリー祭      岡崎由美子

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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