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艸句会報:船橋(令和4年9月4日)

船橋句会(船橋市勤労市民センター)
兼題「有、楽」

印象句
風爽か両国橋をくぐりゐて      平野 廸彦
【一口鑑賞】この日は午前中にミニ吟行(浅草橋駅〜柳橋〜薬研堀〜両国橋〜回向院〜両国駅)を楽しんだ。残暑が厳しいなかとはいえ、川に沿って歩くと秋らしさが感じられた。両国橋の近くには神田川の河口があり、岸辺に沿って散策するには絶好の場所。この句は、橋の下で感じた涼しさを素直に書きとめた。原句は上五の季語が「秋風や」だったが、傍題にある「風爽(さや)か」に替えてみた。この方が作者の実感に近いのではないだろうか。(潔)

秋茜静まりかへる橋の町       新井 紀夫
秋の夜や楽々生きて来た素振り    沢渡  梢
神田川山手の秋を大川へ       矢島 捷幸
有明の大橋行けば秋の風       小杉 邦男
気楽なる都電の旅や鰯雲       並木 幸子
正客の楽の一碗風炉名残       岡戸 林風
橋詰の小さき舟宿式部の実      岡崎由美子
橋桁に水かげろふや秋の川      安住 正子
有り無しの風にささやく竹の春    山本  潔
寄せ植ゑの公民館の花壇かな     三宅のり子
法師蟬終楽章を鳴きとほす      市原 久義
有り難うの言葉ほしくて送る梨    飯塚 とよ
風音の強くなりけり盆用意      針谷 栄子

(清記順)
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艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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