艸句会報:若草(令和4年9月10日)
若草句会(俳句文学館)
兼題「窓」
印象句
カーナビに任す遠出や野菊晴 新井 洋子
【一口鑑賞】今や車の運転にカーナビは欠かせない。かつては助手席の連合いが地図を見誤れば、喧嘩のもとになったものだが、そんなストレスからも解放された。それはさておき、カーナビと「野菊晴」を取り合わせた俳句に初めて出合った。さぞかし充実したドライブだったのだろう。富安風生に〈かかる日のまためぐり来て野菊晴〉がある。昭和20年の作で、安否の分からなかった俳友たちと再会し、平和の帰ってきた野菊の小径を歩いた喜びが詠まれている。あれから77年。(潔)
重陽にちむどんどんの「艸」句会 にしい季衣子
モンローかくびれ自慢の大ふくべ 新井 洋子
この窓は星を見るため星月夜 山本 潔
山葡萄わが手にかけてワインにす 石田 政江
指組めば届く祈りや窓の月 沢渡 梢
機織の糸屑の舞ふ夜なべの灯 新井 紀夫
胸キュンとなることありや敬老日 松本ゆうき
行合の雲の流れや遠案山子 岡戸 林風
竹幹の白き粉ふく秋気かな 安住 正子
島唄に宿る海神鳥渡る 針谷 栄子
おむすびのころころころり馬肥ゆる 吉﨑 陽子
助手席の案山子労ふ老農夫 市原 久義
能面の眼のひかり秋の雷 飯田 誠子
(清記順)
兼題「窓」
印象句
カーナビに任す遠出や野菊晴 新井 洋子
【一口鑑賞】今や車の運転にカーナビは欠かせない。かつては助手席の連合いが地図を見誤れば、喧嘩のもとになったものだが、そんなストレスからも解放された。それはさておき、カーナビと「野菊晴」を取り合わせた俳句に初めて出合った。さぞかし充実したドライブだったのだろう。富安風生に〈かかる日のまためぐり来て野菊晴〉がある。昭和20年の作で、安否の分からなかった俳友たちと再会し、平和の帰ってきた野菊の小径を歩いた喜びが詠まれている。あれから77年。(潔)
重陽にちむどんどんの「艸」句会 にしい季衣子
モンローかくびれ自慢の大ふくべ 新井 洋子
この窓は星を見るため星月夜 山本 潔
山葡萄わが手にかけてワインにす 石田 政江
指組めば届く祈りや窓の月 沢渡 梢
機織の糸屑の舞ふ夜なべの灯 新井 紀夫
胸キュンとなることありや敬老日 松本ゆうき
行合の雲の流れや遠案山子 岡戸 林風
竹幹の白き粉ふく秋気かな 安住 正子
島唄に宿る海神鳥渡る 針谷 栄子
おむすびのころころころり馬肥ゆる 吉﨑 陽子
助手席の案山子労ふ老農夫 市原 久義
能面の眼のひかり秋の雷 飯田 誠子
(清記順)
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