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艸句会報:かつしか(令和4年9月25日)

かつしか句会(亀有地区センター)
兼題「吾亦紅」

印象句
携帯をマナーモードに虫の声     霜田美智子
【一口鑑賞】秋もたけなわ。いつの間にか蟬の鳴き声が途絶え、草叢からいろいろな「虫の声」が聞こえてくる。まさに〈露しげき葎の宿にいにしへの秋にかはらぬ虫の声かな〉(源氏物語「横笛の巻」)である。そんな「虫の声」を愛おしむ作者。劇場や映画館でするのと同じように「携帯をマナーモードに」したのだ。身近に鳴く虫たちを驚かせないようにという気持ちが表れている。伝統的な季語に現代的な携帯電話を取り合わせたユーモラスな一句。(潔)

秋雲や錆幾年の転車台        佐治 彰子
初めての自己紹介や秋祭       西村 文華
屈みつつ萩のトンネル風と過ぐ    笛木千恵子
性(しょう)を見て間引く匠や竹の春 近藤 文子
秋祭仕舞太鼓の佳境かな       小野寺 翠
晩年はさらりと生きむ吾亦紅     三尾 宣子
捕物帳三の巻へと夜長かな      伊藤 けい
瀬戸内を包む幻想霧の朝       五十嵐愛子
日の匂ひ残る刈田のかちがらす    新井 洋子
独り言多くなりけり吾亦紅      片岡このみ
夢を見し数だけ花に吾木香      山本  潔
読み返す父への弔辞秋彼岸      新井 紀夫
妣恋し故郷恋し吾亦紅        西川 芳子
秋澄むやいぼとり地蔵のよだれかけ  千葉 静江

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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