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艸句会報:連雀(令和4年10月5日)

連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「信」

印象句
秋めくや信玄袋提げ街へ       中島 節子
【一口鑑賞】兼題「信」から発想して詠まれた一句。「信玄袋」はもともと厚地の織物で作った手提げ袋で、口紐が付いている。和装に合うため、明治中期より主に旅行用の小物入れとして流行したという。今では、ちょっとした街歩きに重宝するファッションアイテムとして若者にも人気があるようだ。掲句は、秋めく街の散策を楽しもうという気分が「信玄袋」を通して伝わってくる。声に出して読むと、下五の韻律が軽快だ。(潔)

秋彼岸信心篤くなき私        春川 園子
白萩の零るる庭のひとところ     横山 靖子
名月に心あづけて老いひとり     束田 央枝
抜歯後の疼きにも似て地虫鳴く    向田 紀子
ミサイルが飛び越えてゆく稲田かな  山本  潔
夕蟬の泣き止む今を哀しめり     坪井 信子
余生てふ日々も楽しや鰯雲      松成 英子
信楽の壺にたつぷり花芒       飯田 誠子
秋空を祓うパンパスグラスかな    中島 節子
赤信号赤字大国赤蜻蛉        松本ゆうき

(清記順)
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Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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