艸句会報:若草(令和4年10月8日)
若草句会(亀有 ギャラリー・バルコ)
兼題「衣」
印象句
独り身の起き伏し後の更衣 岡戸 林風
【一口鑑賞】「後の更衣」が晩秋の季語。更衣は平安時代の宮廷行事だったのが江戸の頃には一般に普及した。ただ単に「更衣」と言えば夏の季語だが、「後の更衣」は10月に入って冬物に替えること。作者は、1年前に奥様を亡くされた。それまで季節ごとに着る物を出してくれた人がいなくなり、今さらながらに感謝の念が湧いてくると同時に、更衣もままならない侘しさが身に染みるのだろう。兼題「衣」から今の作者自身を詠んだ一句。(潔)
海山の四股名を競ふ相撲取 松本ゆうき
色あせし文庫本読むちちろの夜 飯田 誠子
替へゐたる供花の水にも菊匂ふ 針谷 栄子
秋高しダッシュする子と測る父 新井 紀夫
秋場所や綺麗どころの抜衣紋 安住 正子
庭中をダリアに妣の好きな花 石田 政江
露草や橋の袂の道しるべ 岡戸 林風
鬼の子や襤褸の衣の一張羅 新井 洋子
藤袴つなぐ手ほしき散歩道 吉﨑 陽子
行く秋やもつ煮鮟肝酒二合 沢渡 梢
秋声や幾何学文の能衣裳 山本 潔
(清記順)
兼題「衣」
印象句
独り身の起き伏し後の更衣 岡戸 林風
【一口鑑賞】「後の更衣」が晩秋の季語。更衣は平安時代の宮廷行事だったのが江戸の頃には一般に普及した。ただ単に「更衣」と言えば夏の季語だが、「後の更衣」は10月に入って冬物に替えること。作者は、1年前に奥様を亡くされた。それまで季節ごとに着る物を出してくれた人がいなくなり、今さらながらに感謝の念が湧いてくると同時に、更衣もままならない侘しさが身に染みるのだろう。兼題「衣」から今の作者自身を詠んだ一句。(潔)
海山の四股名を競ふ相撲取 松本ゆうき
色あせし文庫本読むちちろの夜 飯田 誠子
替へゐたる供花の水にも菊匂ふ 針谷 栄子
秋高しダッシュする子と測る父 新井 紀夫
秋場所や綺麗どころの抜衣紋 安住 正子
庭中をダリアに妣の好きな花 石田 政江
露草や橋の袂の道しるべ 岡戸 林風
鬼の子や襤褸の衣の一張羅 新井 洋子
藤袴つなぐ手ほしき散歩道 吉﨑 陽子
行く秋やもつ煮鮟肝酒二合 沢渡 梢
秋声や幾何学文の能衣裳 山本 潔
(清記順)
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