艸句会報:連雀(令和4年11月2日)
連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「耳」
印象句
遠くより路地を掃く音今朝の冬 束田 央枝
【一口鑑賞】今年の立冬は11月7日。この句は、先取りして投句されたが、「今朝の冬」という副季語によって実感がよく出ている。ふだんはあまり気にしない路地を掃く音も、秋から冬への澄んだ冷んやりした空気を伝わってくると、はっきり聴こえたのだろう。近年は温暖化で紅葉のピークが徐々に後ろにずれているが、太陽の動きは決して季節を変えてしまうことはない。作者は、冬の到来をささいな音から感じ取ったのである。繊細な一句。(潔)
リハビリを兼ぬる散歩や鰯雲 春川 園子
パン生地は耳たぶくらい冬ぬくし 松成 英子
朝からの雨となりけり白芙蓉 中島 節子
艶ばなし耳立てて聞く冬帽子 松本ゆうき
この道や詩を心耳に白秋忌 山本 潔
身にしむや老に空耳地獄耳 飯田 誠子
石蕗の花や暮色を寄せつけず 矢野くにこ
数珠玉やのんののんのと拝みし日 坪井 信子
素踊りの運ぶ足先火恋し 向田 紀子
佳句に会ふ心静もる良夜かな 横山 靖子
(清記順)
兼題「耳」
印象句
遠くより路地を掃く音今朝の冬 束田 央枝
【一口鑑賞】今年の立冬は11月7日。この句は、先取りして投句されたが、「今朝の冬」という副季語によって実感がよく出ている。ふだんはあまり気にしない路地を掃く音も、秋から冬への澄んだ冷んやりした空気を伝わってくると、はっきり聴こえたのだろう。近年は温暖化で紅葉のピークが徐々に後ろにずれているが、太陽の動きは決して季節を変えてしまうことはない。作者は、冬の到来をささいな音から感じ取ったのである。繊細な一句。(潔)
リハビリを兼ぬる散歩や鰯雲 春川 園子
パン生地は耳たぶくらい冬ぬくし 松成 英子
朝からの雨となりけり白芙蓉 中島 節子
艶ばなし耳立てて聞く冬帽子 松本ゆうき
この道や詩を心耳に白秋忌 山本 潔
身にしむや老に空耳地獄耳 飯田 誠子
石蕗の花や暮色を寄せつけず 矢野くにこ
数珠玉やのんののんのと拝みし日 坪井 信子
素踊りの運ぶ足先火恋し 向田 紀子
佳句に会ふ心静もる良夜かな 横山 靖子
(清記順)
- 関連記事
-
- 艸句会報:若草(令和4年11月12日) (2022/11/13)
- 艸句会報:連雀(令和4年11月2日) (2022/11/07)
- 艸句会報:すみだ(令和4年10月26日) (2022/10/30)