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艸句会報:若草(令和4年11月12日)

若草句会(亀有 ギャラリー・バルコ)
兼題「無」

印象句
義経に菊師寄りては離れては      新井 紀夫
【一口鑑賞】「菊師」は晩秋の季語「菊人形」の傍題。菊人形展が始まる直前だろうか。菊師が一つの作品に近寄ったり離れたりしながら、手直しを加えている様子が目に浮かぶ。この句は最初、「総仕上げ菊師寄りては離れては」として投句された。選句後の合評で「上五が菊師の動きの答えを最初から言ってしまっている」との意見が出て、作者自ら「義経に」と推敲した。これにより菊人形の姿が明確になり、句が引き締まった。だから句会は面白い。(潔)

冬ぬくしコントラバスのアヴェ・マリア 石田 政江
無蓋車の風騒がせて枯野原       安住 正子
両の手でつつむ湯呑みや冬に入る    飯田 誠子
風の夜のふくふくと煮る新小豆     霜田美智子
妻はいま出雲の空か神無月       岡戸 林風
風生に無季の句一つ炬燵猫       山本  潔
神社裏の猫の会議や小六月       吉﨑 陽子
しつけ糸手繰る指先冬はじめ      沢渡  梢
トンネルを抜ければ会津花すすき    松本ゆうき
踏み入れば大地の香る落葉道      市原 久義
下戸にして常連の客海鼠噛む      新井 洋子

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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