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艸句会報:かつしか(令和4年11月27日)

かつしか句会(亀有地区センター)
兼題「帰り花」

印象句
窮屈な日々に真赤な帰り花      小野寺 翠
【一口鑑賞】冬に入り寒い日が続いた後、小春日のポカポカ陽気が続くと、春の花が咲き出してしまう。これが「帰り花」であり、主に桜の狂い咲きのことを言うが、山吹や躑躅、梅などにも見られる。師走を前に忙しいだけでなく、コロナ禍やウクライナ情勢などもあって気持ちの上では「窮屈な日々」と感じている作者。「真赤な帰り花」は躑躅だろう。まるで天からの贈り物のような赤い花を見て救われた気分を句にした。(潔)

冬紅葉照るや一茶の蛙池       佐治 彰子
住み古りて繕ふ垣根返り花      霜田美智子
金木犀咲くやアリスを口ずさみ    西村 文華
耳遠き夫婦の会話小六月       新井 洋子
脊柱にボルト三本冬隣        西川 芳子
この世とはあの世の手前かへり花   山本  潔
返り花わが人生の句読点       五十嵐愛子
旅人へ如来の笑みや照紅葉      笛木千恵子
靴ずれにバンドエイドを貼る夜寒   片岡このみ
広き背の相槌一つ返り花       伊藤 けい
亡き父の蔵書に耽る畳替       高橋美智子
踏ん張つて冬耕斜面祖谷の風     近藤 文子
記念樹は橋のたもとに返り花     新井 紀夫
でこぼこの人生航路冬に入る     三尾 宣子

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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