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艸句会報:すみだ(令和4年11月30日)

すみだ句会(すみだ産業会館)
兼題「色」

印象句
実の色を少し残して柿落葉      福岡 弘子
【一口鑑賞】柿の葉は初冬のころ、夕日に染まったかのように、さらには実の艶をそのまま映したかのように紅葉し、やがてゆらゆらと落ちる。拾って見ると、緑や赤、黄などの色が混在している。鮮やかだが、染みや傷があったり、穴もあいていたりするので、痛々しい感じもする。掲句は、そんな「柿落葉」をよく観察し、兼題「色」の文字も詠み込んで高点句になった。さまざまな色のなかに「実の色を少し」と見たところがお手柄。(潔)

小春空白煙乗せて桜島        長澤 充子
枯露柿に呪文をかけて揉みほぐす   工藤 綾子
老幹の深き紅色冬もみじ       髙橋 郁子
吾輩は挫折の歴史漱石忌       松本ゆうき
衣を重ね老を重ねて冬深し      内藤和香子
しろじろと夕べは眠る干大根     岡崎由美子
木菟の鳴く森の奥なる赤い家     山本  潔
玄冬や白紙掲ぐる民の声       貝塚 光子
何あるか分からぬ明日枇杷の花    福岡 弘子
秋灯しケーキ二つに吾一人      大浦 弘子
白壁を線描のごと蔦枯るる      岡戸 林風

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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