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艸句会報:船橋(令和4年12月3日)

船橋句会(船橋市勤労市民センター)
兼題「直」、ミニ吟行「南行徳野鳥観察舎」

印象句
熱の子を抱き寒夜の当直医      並木 幸子
【一口鑑賞】12月に入った途端に寒さが厳しくなった。晩秋の夜に感じる寒さを「夜寒」「宵寒」などと言うが、冬は「冬の夜」だけで十分寒さが伝わる。その副季語が「寒夜」であり、「寒き夜」とも言う。この句は兼題「直」から「当直医」を登場させた発想力に感心する。冬の夜に熱を出した子どもが急患で運ばれてきたのだろう。当直医の慌てぶりが想像される。ましてやコロナ禍が未だに収束していないこともあり、「熱の子」にも緊張感が漂う。(潔)

憲法九条語りし人よ冬に逝く     飯塚 とよ
閑かなる野鳥病院笹子鳴く      沢渡  梢
落葉降る犬と戯る潔さん       新井 紀夫
豆柴の蹴散らしてゆく落葉かな    山本  潔
障害の吾も師走のボランティア    三宅のり子
保護鳥の標の足輪冬日差し      岡崎由美子
俎板を削り直して師走来る      川原 美春
大鷺の集へる潟や冬日和       岡戸 林風
冬日差す鳶の翼の傷癒えて      並木 幸子
落葉散る川辺掃除の爺一人      小杉 邦男

(清記順)
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Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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