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艸句会報:連雀(令和4年12月7日)

連雀句会(三鷹駅前コミュニティセンター)
兼題「気」

印象句
冬麗の富士全容やアロエ咲く     向田 紀子
【一口鑑賞】アロエは南アフリカ原産の多肉植物。世界に400種以上の原種があるという。観賞用や食用、薬用に栽培され、日本でも11〜2月頃に一般家庭の玄関先などに赤やオレンジの花をつけているのを見かける。近年は冬の季語として歳時記に載っている。この句は季重なりだが、冬のよく晴れた日の美しい富士山を遠くから一望する感動を、足元に咲いたアロエの花が盛り立てる。作者は西東京市の眺めのいいマンションに暮らしている。(潔)

蕎麦切りの小気味よろしき町師走   向田 紀子
始祖鳥の夢追ひかける厚毛布     坪井 信子
湯気立てて老老介護風邪心地     飯田 誠子
川沿いに芝居の幟冬夕焼       松成 英子
通院と入院ばかり古暦        矢野くにこ
白菜切る音夕闇を連れてくる     束田 央枝
革ジャンや気持十歳若くなり     松本ゆうき
素つ気ない風情の猫や年の暮     山本  潔
くじ引きの三等ファイル街師走    中島 節子
胃カメラの麻酔の醒めて冬紅葉    横山 靖子

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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