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艸句会報:東陽(令和4年12月24日)

東陽句会(江東区産業会館)
兼題「視」

印象句
おしやべりに楽しく疲れシクラメン  安住 正子
【一口鑑賞】「シクラメン」は地中海東北部原産。もともとは春咲き、秋咲きのある野生種で、16世紀末にヨーロッパへ渡り、多くの園芸品種が生まれた。歳時記では春の季語だが、近年はクリスマスや正月に楽しまれるようになっており、冬に詠まれても違和感はない。歳末の忙しい時期におしゃべりに夢中になっていた作者。楽しい会話に心地良い疲れを感じながら目にした深紅のシクラメンに癒やされたのだろう。実感が伝わってくる。(潔)

着ぶくれて新宿駅の迷路かな     向田 紀子
野良猫に会ひにゆく道落葉道     岡崎由美子
毛布被つてゲームの夫の反抗期    飯田 誠子
聖樹綺羅いくさの闇は如何許り    堤 やすこ
呆け防止の新書に疲れ小春かな    中島 節子
水仙や墓地売り出しの赤幟      斎田 文子
冬怒濤視界の果ての七ツ島      安住 正子
衰へし視力師走のATM        岡戸 林風
少年の視線定まる寒稽古       山本  潔
かんむりは折紙の星クリスマス    中川 照子
水晶玉に見る過去未来暖炉燃ゆ    新井 洋子
あの世とはこんなものかな日向ぼこ  松本ゆうき
煤逃げや独演会の「芝浜」を     新井 紀夫

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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