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艸句会報:かつしか(令和5年1月22日)

かつしか句会(亀有地区センター)
兼題「黄」

印象句
藪入や休暇を取れといふ時代     新井 紀夫
【一口鑑賞】「藪入(やぶいり)」は正月十六日に奉公人に休みを与え、親元に帰したり、自由に外出させたりすること。戦前までは普通の習慣だったが、今や忘れられかけた季語だろう。「働き方改革」では休みを与えなかったり、取らなかったりすれば罰せられる。かつての風習に思いを馳せる一方で、時代の流れを冷静に見ている作者。「休暇を取れといふ時代」には、社会環境の変化の大きさに戸惑う気持ちがにじみ出ている。(潔)

石蕗の花姉の形見の黄八丈      伊藤 けい
半熟の黄身のまろやか寒卵      西川 芳子
菜の花の苦味迷はす辛子の黄     西村 文華
初夢や目覚めと共に忘れけり     三尾 宣子
新しみ目指し句作を喜寿の春     佐治 彰子
紅白の膾に柚子の黄を添へて     小野寺 翠
笑み交はす吉日の艸初句会      霜田美智子
蠟梅や登る参道黄檗宗        五十嵐愛子
梳初は母の形見の黄楊の櫛      笛木千恵子
春近しミス水仙の黄八丈       新井 紀夫
薄氷を戸惑いがちに割る子かな    近藤 文子
曳かれゆく鯨の骸寒夕焼       山本  潔
初暦赤で書き込む通院日       片岡このみ
どか雪の朝碧眼のペルシア猫     新井 洋子

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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