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艸句会報:東陽(令和5年1月28日)

東陽句会(江東区産業会館)
兼題 折句ゆとお 例句/雪女郎ときに吹雪を起こしけり 鈴木真砂女

印象句
イケメンに出会ひ溶けゆく雪女郎   中川 照子
【一口鑑賞】「雪女郎」は晩冬の季語。雪国の伝説から生まれた雪の妖怪。「雪鬼」「雪坊」「雪男」などもいる。風土的な要素があり、地方によって「顔を見るとたたられる」「背を向けると谷に突き落とされる」などさまざまな言い伝えがあるようだ。いずれも雪への恐れが根底にあるが、この句は自らを「雪女郎」になぞらえて「イケメン」と出会う場面を詠んだのだろう。大のイケメン好きを自称する作者ならではの大胆な一句。(潔)

雪起し遠く轟き熾火掻く       新井 洋子
花舗よりの一筋の水凍りけり     岡崎由美子
裸木の拳つらなる並木道       中島 節子
夕映えの東京タワーお元日      堤 やすこ
行く雲に遠き過去など翁の忌     斎田 文子
寒の水飲めば静まる腹の虫      飯田 誠子
鷽替に替へる嘘なし青き空      中川 照子
音立てて溜る霰や捨て小舟      新井 紀夫
夕刊の届く音して置炬燵       安住 正子
ゆくりなく友と出会ひておでん酒   岡戸 林風
大寒のかくも眩しき大日差し     向田 紀子
夕東風や飛び交ふ声は応援歌     山本  潔
湯たんぽの父さん小さきおならかな  松本ゆうき

(清記順)
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艸俳句会

Author:艸俳句会
艸俳句会のWeb版句会報。『艸』(季刊誌)は2020年1月創刊。
「艸」は「草」の本字で、草冠の原形です。二本の草が並んで生えている様を示しており、草本植物の総称でもあります。俳句を愛する人には親しみやすい響きを持った言葉です。

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